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2022/01/18 17:24
国内ファンドへの旺盛な資金流入が続く中で、ファンドの運用効率を重視する動きが強まっている。運用効率に優れるファンドである5ツ星ファンドの純資金流入額は、2021年12月に過去10年間(2012年1月〜2021年12月)で最大となり、暦年でも2021年は過去10年間(2012年〜2021年)で最大となった。 ウエルスアドバイザーでは毎月、運用期間3年以上のファンドを対象に、レーティングを公表している。レーティングは、ファンドのリスク調整後リターンが、その属するウエルスアドバイザーカテゴリーにおいてどの水準にあるかを5段階で示したもので、最上位の5ツ星(★★★★★)はカテゴリー内で最も運用効率に優れていることを示す。 ウエルスアドバイザーの推計によると、2021年12月の5ツ星ファンドへの純資金流入額(ETF除く、以下同じ)は前月比63%増の3519億円となり、2カ月連続で過去10年間における最大を更新した。暦年の推移を見ると、2021年の純資金流入額は前年比88%増の1兆9817億円となり、2年連続で過去10年間の最大を更新した。また、5ツ星に次いで運用効率に優れる4ツ星ファンドの2021年の純資金流入額は1兆7596億円となり、87億円の純資金流出となった前年から純資金流入に転じるだけでなく、過去10年間で最大となった。 直近3年間(2019年〜2021年)のレーティング別純資金流出入額を見ると、5ツ星は純資金流入額が拡大し、4ツ星と3ツ星は2021年に純資金流入に転換した。一方、相対的な運用効率が劣後している1ツ星と2ツ星は純資金流出が継続した。ファンドの選択において、運用効率に優れるレーティングが良好なファンドを選好する動きが強まっている。 2021年12月末時点のレーティングが5ツ星となったファンドを対象に、2021年の1年間の純資金流入額の上位5ファンドを見ると、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」の「Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」が9394億円の純資金流入でトップとなった。同ファンドは国内全ファンド(ETF除く)においてもトップとなった。第3位には同シリーズの「Cコース毎月決算型(為替ヘッジあり)予想分配金提示型」が2610億円の純資金流入で入り、「Bコース(為替ヘッジなし)」が2224億円の純資金流入で第4位となった。米国株高の中、同シリーズには高水準な資金が流入した。 第2位は「投資のソムリエ」、第5位は「ダブル・ブレイン」で、純資金流入額はそれぞれ2669億円、841億円となった。
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