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2022/01/21 17:42
国内株式に投資するアクティブファンドを、5年前(2016年12月末時点)に付けたファンドレーティング別にグループ分けし、その後のリターンの推移を調べた。ファンドレーティングは、運用期間3年以上のファンドを対象に、リスク調整後のリターンがその属するウエルスアドバイザーカテゴリー内でどの水準にあるのかを5段階で示したものである。最上位の5ツ星(★★★★★)は最も運用効率に優れることを示す。5年前に運用効率に優れると判断されたファンドのその後の運用成績、また、株価大幅下落時のパフォーマンスを確認したい。 2016年12月末時点を10000とした累積リターンの推移は図表の通りである。累積リターンの高い順に見ると、5ツ星(★★★★★)グループ(16年12月末に5ツ星を獲得したグループ)が67.37%、4ツ星(★★★★)グループが58.36%、3ツ星(★★★)グループが53.84%、2ツ星(★★)グループが50.00%、1ツ星(★)グループ53.23%となった。調査対象全ファンドの平均(国内株式アクティブ平均)は55.06%で、5ツ星グループと4ツ星グループが上回った。概ね高レーティングファンドほど、良好な運用効率を発揮して、その後のリターンも高くなった。 次に株式市場の大幅下落時の動きを確認したい。直近5年間(2017年1月から2021年12月)のうち日経平均株価の月次リターンが前月比2ケタのマイナスとなったのは、米中貿易摩擦に揺れた2018年12月(前月比▲10.45%)とコロナショック時の2020年3月(同▲10.53%)の2回ある。当該月のレーティンググルーブ別の月次リターンを見ると、2018年12月は5ツ星グループが▲11.35%、4ツ星グループが▲11.62%、3ツ星グループが▲11.45%、2ツ星グループが▲12.32%、1ツ星グループが▲13.19%、全ファンド平均は▲11.92%。3ツ星以上が全ファンド平均を上回り、5ツ星グループが最も下落率を抑制した。 2020年3月は、5ツ星グループが▲8.66%、4ツ星グループが▲7.42%、3ツ星グループが▲8.28%、2ツ星グループが▲10.39%、1ツ星グループが▲16.59%、全ファンド平均は▲9.68%。5ツ星グループは最も良好ではないが、全ファンド平均に対して下落率を抑制できた。一方、運用効率の劣後する1ツ星グループの落ち込みが際立つ結果となった。 オミクロン株の感染急拡大、米金融政策正常化を巡る思惑、インフレ懸念などを背景に、国内株式市場は年初から不安定な動きが続いている。日々の値動きは大きく、21日終値は前日比250円安の2万7522円となった。前年末比では4.41%下落している。金融市場を取り巻く不透明感が深まる中、運用効率に優れるファンドに注目したい。
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