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2022/02/01 17:15
ニッセイアセットマネジメントは1月31日、同社が設定・運用している「ニッセイSDGsグローバルセレクトファンド」の販売会社である名古屋銀行と共同で、ファンドから得られる収入の一部を愛知県下の5つの病院に寄付すると発表した。同ファンドは、2018年5月に設定され、過去3年のトータルリターンは年率28.39%と非常に優れていることもあり、証券、銀行、労働金庫など約70の販売会社が取り扱っている。名古屋銀行は2021年8月から加わった比較的新しい販売会社だ。通常は、ファンドの手数料収入の一部を社会貢献に使うような取り決めは、ファンドの新規設定時に決めるもので、公開販売で後から参加した販売会社が主導して導入することは珍しい。世界的な潮流であるSDGs(持続可能な開発目標)やESG(環境・社会・企業統治)に関連する投資が、国内でも広がっていることを感じさせる動きだ。 ニッセイアセットマネジメントによると、今回の寄付行為は、名古屋銀行が「ニッセイSDGsグローバルセレクト」の商品採用を検討する際に、同行においてSDGsに係る寄付を検討しており、日本で初めて「SDGs」を冠に掲げたファンド(2018年2月設定の「ニッセイSDGsジャパンセレクトファンド」。既存ファンドでは、「東京海上・グローバルSDGs株式ファンド」が2007年12月設定だが、当ファンドは2020年8月にファンド名を変更して現在のファンド名になった)を立ち上げたニッセイアセットマネジメントと合同で寄付をする事で、「投資信託を通したSDGs達成に向けてメッセージが発信できる」と考え、両者合意の上で決定したという。 寄付額は名古屋銀行とニッセイアセットマネジメントがそれぞれ100万円を出し合計200万円を愛知県内の愛知県がんセンターなど5つの病院に、それぞれ40万円ずつ寄付する。新型コロナウイルスの変異株オミクロンの急速な感染拡大で医療現場の疲弊が懸念されている中、地元の銀行として医療従事者を応援する姿勢を示す。名古屋銀行が投資信託から収受した収益の一部を寄付するのは初めての取り組みとなる。また、同ファンドの取り扱いを通じた寄付も初めてのことだ。そして、ニッセイアセットマネジメントとしても、公開販売ファンドの特定の販売会社と共同でマッチング拠出による寄付をするのも初めてのケースだという。 ニッセイアセットマネジメントは、PRI(責任投資原則)を始め、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)、AIGCC(気候変動に関するアジア投資家グループ)、PCAF(金融向け炭素会計パートナーシップ)等、気候変動に関するグローバルなイニシアティブへ賛同している。また、2021年3月にNet Zero Asset Managers Initiative(NZAMI)に参画し、今年1月には、2050年までの温室効果ガス排出量実質ゼロの実現に向けて2030年までに「当社の2019年12月末時点の運用資産約27兆円の59.6%を対象に、2019年対比で2030年までに、そのカーボンフットプリントの半減(50%削減)を目指す」という中間目標を設定するなど、積極的に責任投資に取り組んでいる。今回の名古屋銀行と実施したような社会貢献活動についても、「販社との対話を通じて個別に検討を進めていきたい」としている。(グラフは、「ニッセイSDGsグローバルセレクトファンド」の設定来のパフォーマンスの推移)
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