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2022/02/28 16:18
りそな銀行は、さらなる企業年金制度の普及を目的に中小企業向けの総合型DC(確定拠出年金)に新プラン「りそなDCプライムプラン」を6月1日から取扱いを開始する。りそな銀行の他、埼玉りそな銀行、関西みらい銀行、みなと銀行のりそなグループの銀行でも同時期に取り扱いを開始する。「総合型DC」は、お互いに資本関係等が存在しない複数の中小企業などが集まって運営する企業型確定拠出年金の一種であり、単独で規約をつくるよりも手続きが簡単で運営コストも抑えられるというメリットがある。新プランは、運用商品に信託報酬が低いインデックスファンドを中心に揃え、加入者向けに投資教育のデジタルツールを無償で用意し、運用資産の見直しや運用指図の手続きをスマホで簡単にできるようにした。 りそなグループは、確定拠出年金制度の発足以降、法人向けの企業年金制度として企業型DCを積極的に働きかけてきた。現在約3000社、32万人超の加入者にサービスを提供している。「近年の運用商品の信託報酬の低減など足元の動向を踏まえ、今後もさらに利用しやすく確定拠出年金制度のメリットを最大限ご享受いただける信託サービスの提供を目指します」と新プランの提供を決めた。 新プランの運用商品は、元本確保型商品として定期預金を2本、そして、元本変動型商品の投資信託を14本用意する。14本のうち12本はインデックスファンドなどパッシブ型の投資信託で、信託報酬率の低い商品を揃えた。また、加入者が運用指図をしない場合に適用される「指定運用方法」にはバランス型投信を採用し、より多くの加入者に資産運用の機会を提供する仕組みにした。 一方、企業型DCを導入した事業主に努力義務として課される「継続投資教育」については、投資教育関係のデジタルコンテンツを充実させてオンラインでいつでも投資に関する勉強ができる環境を用意する他、加入者向けのメール配信サービスを標準設定で提供する。メールによって加入者の気づき・現状認識〜学習へとつなげるきっかけづくりをすることで、資産運用の動機付けや継続投資教育につなげる考えのようだ。「実際の運用資産見直し・運用指図の手続きをペーパーレスで実現し、スマホで簡単に利用できるデジタルサービスを提供します」としている。また、継続投資教育については、有償での集合研修など対面も含めた研修も用意し、企業の希望に応じて柔軟に対応する。 今年4月以降は、企業型DCを含め、DC制度の改正が実行に移り、個人型DCのiDeCoと企業型DCの併用が一段と進むことが期待されている。まず、4月には、公的年金の受け取り開始時期が75歳まで延長される。現在、60歳〜70歳の間で受取開始(65歳開始で満額受け取り)の時期を指定できるものが、60歳〜75歳の間で受取開始の時期を指定できるようになる。65歳開始で満額受取りは変わらず、75歳から開始した場合は、65歳で受け取り開始した年金額が最大で84%増額されることになる。 5月からは、60歳以降も会社員として就労し、厚生年金の適用を受けている人は65歳までiDeCoの加入や掛金積立ができるようになる。そして、現在は企業型DCに加入している人は会社側がiDeCoへの加入を認める手続きを取ったうえでiDeCoに加入申請しなければならないが、今年10月からは本人の意志だけでiDeCoが利用できるようになる。企業に企業型DC以外の年金制度がない場合、iDeCo(上限は月額2万円)との合計で最大月額5.5万円まで掛金を積み立てることが可能だ。企業に確定給付型の企業年金(DB、厚生年金基金など)がある場合は、iDeCoの掛金上限は月額1.2万円になるが、企業型DCとの合計で毎月最大2.75万円まで掛金の積立ができるようになる。(図版は企業型DCのイメージ図)
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