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2022/03/11 15:51
DC専用ファンドの2022年2月の純資金流出入額は約25億円の流入超過になった。資金流入超過は2020年12月以降15カ月連続になったものの、流入額は前月の688億円の4%にも満たない少額になった。前月の流入額でトップ(流入額は319億円)だったバランスが約25億円の資金流出に転じ、国内株式、国内債券も資金流出だった。国内債券の流出額は約42億円で21年2月の流出額52億円に次ぐ大きな資金流出になった。一方、資産別でトップの資金流入になったのは先進国株式で、流入額は約79億円だった。先進国株式には15カ月連続で資金流入が続いているが、流入額は21年11月の425億円をピークに3カ月連続で流入額が減少した。 DC専用ファンド全体の純資産総額は約8兆3669億円と前月から約713億円減少した。前月も約3288億円減少しており、純資産総額が2カ月連続で減少するのは、2020年2月〜3月以来、約2年ぶりのこと。DC市場は、基本的に積立投資で資金が流入してくるため、よほど市場に大きな下落がない限り、純資産総額は徐々に拡大する方向にある。今年1月の初頭をピークとして、世界の株式市場がインフレ懸念による金融引き締め、また、2月の下旬にはウクライナ情勢の緊迫化を嫌った「リスクオフ」機運の高まりなどで下落を続けている。また、1月に増して2月には資金流入も細ったことから、DC市場では珍しい2カ月連続の純資産総額の減少を見ることになった。 資産配分状況は、株式ファンド46%、債券ファンド17%、バランスファンド35%という割合で、前月と変わらなかった。(※個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない) ■資金流入額トップは「DCダイワ外国株式インデックス」」 DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングは、トップに「DCダイワ外国株式インデックス」、第2位以下に「DCニッセイ外国株式インデックス」、「野村DC外国株式インデックスF・MSCI」が入り、トップ3を先進国株式インデックスファンドが占めた。全体の資金流入額が細ったとはいえ、依然として先進国株式の成長に期待する資金が入り続けていることが分かる。 一方、第4位に「<DC>ベイリー・ギフォード世界長期成長株F」、第5位に「ひふみ年金」などアクティブファンドが入り、第7位には新設の「フィデリティ・アクティブ・グロース(DC)」がランクインしているが、「ひふみ年金」以下は資金流入額が10億円に届かないものであり、ファンド選択の傾向の変化をつかむことは難しい。 ■トータルリターンの上位はグローバルREITインデックスが占める 個別ファンドの過去1年間のトータルリターンランキングトップは、前月の第2位から1ランクアップして「DCダイワ・グローバルREITインデックス」になった。第2位以下もグローバルREITインデックスファンドが続き、トータルリターントップ10のうち、8銘柄をグローバルREITインデックスファンドが占めた。 グローバルREITインデックス以外で、トップ10に入ったのは、「野村 世界ESG株式インデックス(確定拠出年金)」と「DC米国株式インデックス・オープン(S&P500)」だった。いずれも先進国株式を中心に運用するファンドだった。(グラフは、DC専用ファンドの過去3カ月の資産別資金流出入の推移)
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