前のページに戻る
2022/07/04 16:27
大手ネット証券3社の投信積立契約件数ランキング(月次、22年6月)のトップ3は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、「eMAXIS Slim 先進国株式」になった。「eMAXIS Slim」シリーズがトップ3を独占するのは、2021年8月以来10か月ぶりのこと。この間、トップ3に食い込むことが多かった「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」は4位に後退した。また、前月は9位にまで順位を落としていた「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」が6位に浮上。トップ10圏外から「iFreeレバレッジNASDAQ100」が10位に躍進した。 ランキングは、定期的に月次の投信積立契約件数トップ10を公表しているSBI証券、楽天証券、マネックス証券の公開情報を使用。各社ランキング1位に10点、以下、順位が落ちるたびに1点を減点し、第10位を1点として、3社のランキング10位までのファンドの点数を集計した。 長期に資産を積み立てていくことを目的とした投信積立では、長期的に見て資産の成長が期待される「株式」を投資対象としたファンドが選択されるとともに、継続的な負担となる信託報酬率を低く抑えることが重視される傾向にある。この2つの傾向を兼ね備えた「株式インデックスファンド」が積立契約件数のメイン商品となっている。特に、22年4月以降は、株式インデックスファンドへの需要が強まり、4月、5月と2カ月連続で、株式インデックスファンドがトップ10を独占する状況が続いた。株式インデックスファンドの中でも、業界に先駆けて「業界最低水準の信託報酬をめざす」と宣言した「eMAXIS Slim」シリーズが絶大な人気を誇っている。6月のトップ10の中でも4銘柄を占めた。 一方、株式インデックスファンドの対抗馬となっているのが、「ひふみプラス」に代表される株式アクティブファンド、そして、「iFreeレバレッジNASDAQ100」などのレバレッジ型のファンドだ。「ひふみプラス」は22年3月にトップ10の第7位になったことを最後にトップ10圏外に落ちた。また、レバレッジ型は21年12月に「iFreeレバレッジNASDAQ100」が第6位になったことを最後にトップ10から外れてきた。今回、「iFreeレバレッジNASDAQ100」が6カ月ぶりにトップ10に返り咲いた。株式アクティブファンドやレバレッジ型は、株式インデックスファンドと比較すると信託報酬率が高いため、これらのファンドがトップ10を動かすときは、投資家の市場の見方に変化が出てきた兆しと考えられる。 米国のNASDAQ総合指数は、今年1月3日の1万5832.79ポイントをピークに下落し、6月30日には1万1028.73ポイントまで30%超の下落率になった。6月の月間下落率も8.71%となり、3か月連続の下落。第2四半期累計で22.44%の下落率と、リーマンショックで下落した2008年第4四半期以来の大幅安を記録している。この下落率の大きさに、底入れを期待する投資家が、より戻り率が大きくなることが期待されるレバレッジ型を選択しているのだろう。今後、この動きが他のレバレッジ型やアクティブファンドにまで波及するものか、注目したい。
ファンドニュース一覧はこちら>>