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2022/07/06 18:06
2022年上半期(1−6月)のトータルリターン上位10ファンドを見たところ、「商品」、「エネルギー」、「ブラジル」に関連するファンドが独占した。いずれも、ウクライナ情勢を巡って原油価格や商品価格が上昇したことが追い風となった。 集計に際しては、国内公募追加型株式投信の中から、確定拠出年金専用、ファンドラップ専用、及びETFを除く一般の投資家が購入可能なファンドを対象とした。通貨選択型、ブル・ベア型ファンドも除いた。 トータルリターントップは「iシェアーズ コモディティインデックス・ファンド」で、リターンは61.44%となった。同ファンドは、商品市場の動向を示す「S&P GSCIトータルリターン指数(円換算ベース)」をベンチマークとするインデックスファンド。ベンチマークの22年5月末時点の構成比率はエネルギー65.2%、農産物17.4%、産業金属9.0%などとなっている。 第2位の「米国エネルギー革命関連ファンドBコース(為替ヘッジなし)」(愛称:エネルギーレボリューション)を始め、第3位に「シェール関連株オープン」、第5位に「DIAMシェール株ファンド」、第6位に「米国MLPファンド(毎月分配型)Bコース(円ヘッジなし)」(愛称:THE MLP B)とエネルギー関連分野に投資するファンドが並んだ。 2022年上期は、ロシアによるウクライナ侵攻を受けた供給混乱などを背景に、原油、商品価格が大幅に上昇し、「S&P GSCIトータルリターン指数(円換算ベース)」は65.47%、ニューヨークのWTI原油先物価格は40.62%上昇した。 第4位に「LM・ブラジル国債ファンド(毎月分配型)」が入ったほか、第7位に「HSBC ブラジル債券オープン(毎月決算型)」、第8位に「ブラジル債券オープン(毎月決算型)(愛称:ボンド・カーニバル)、第9位に「ブラジル高配当株オープン(毎月決算型)」、第10位に「BNPパリバ・ブラジル・ファンド(バランス型)」とブラジルの株式や債券に投資するファンドがランクインした。いずれも為替要因によるリターン押し上げ効果が大きい。ウクライナ情勢を背景にブラジルの主要輸出品目である原油や鉄鉱石の価格が上昇し、レアル高・円安となったことが寄与した。 なお、「S&P GSCIトータルリターン指数(円換算ベース)」は1−3月に44.92%上昇したのに対して、4−6月の上昇率は14.18%に留まった。WTI原油先物価格も1−3月の33.33%の上昇に対して、4−6月は5.46%の上昇に留まる。商品価格の上昇ピッチは緩やかになっている。下期のリターン上位の顔ぶれが大きく変わる可能性もあろう。
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