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2022/07/08 11:48
国内公募追加型株式投信(確定拠出年金専用、ファンドラップ専用、ETF除く)を対象として、2022年上半期(1−6月)の純資金流出入額(※6月はウエルスアドバイザー推計値を使用)を確認したところ、純資金流入額上位10ファンドのうち9ファンドを国際株式型ファンドが占め、うち6ファンドが米国株式ファンドとなった。 2021年年間の純資金流入額上位10ファンドにおいても、9ファンドが国際株式型で、そのうち8ファンドが米国株式ファンドであった。また、2022年上半期の純資金流入額上位10ファンドのうち6ファンドが2021年年間の上位10ファンドでもあり、うち5ファンドが米国株式ファンドであった。2022年上半期は、各国での金融引き締めとロシアのウクライナ侵攻などを受けて世界の金融市場が混乱したが、その中にあっても、人気のある米国株式ファンドに対する資金流入が続いた。 2022年上半期の純資金流入額トップ10内の米国株式6ファンドは、アクティブとパッシブが3ファンドずつとなった。アクティブ3ファンドは、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信」の「Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」(AB・米国成長株投信Dコース)と「Bコース(為替ヘッジなし)」、及び「キャピタル・インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICA」、パッシブ3ファンドは「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」、「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」(愛称:SBI・V・S&P500)、「楽天・全米株式インデックス・ファンド」(愛称:楽天・バンガード・ファンド(全米株式))である。このうち、「キャピタル・インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICA」を除く5ファンドは2021年年間でもトップ10内であった。 米国株式アクティブ3ファンドのうち、「アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型」は2022年上半期に3692億円の純資金流入となり、流入超過額トップとなった。2021年年間でも9394億円の純資金流入でトップとなっており、トップの座を維持した。「キャピタル・インベストメント・カンパニー・オブ・アメリカ ICA」は、2021年上半期は26億円の純資金流出であったが、同下半期は167億円の純資金流入となり、2022年上半期は863億円の純資金流入と資金フローの改善・増加が目立つ。 ただ、米国株式アクティブ3ファンドは、足元で純資金流入ペースに減速感が見られる。米国株式が急落した6月に、米国株アクティブ3ファンドの純資金流入額は揃って前月から減少し、3ファンドの減少率平均は47%となった。金融引き締めによる米景気減速懸念が強まる中で、下期も相対的に高水準な純資金流入基調を保てるか注目される。 米国株式パッシブ3ファンドはいずれもつみたてNISA対象ファンドであり、米国株安の中でも積立による安定的な資金流入が続いた。アクティブと同様、6月は3ファンドともに純資金流入額が前月から減少したが、減少率の平均は20%とアクティブ3ファンドと比べると底堅い。米国株式の先行き不透明感が強まる中でも、一定水準以上の資金流入が継続すると見られる。
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