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2022/07/27 16:15
投資信託協会は先日、「新しい資本主義の実現に向けた資産運用業界からの提言」を公表した。6月に閣議決定された「新しい資本主義のグランドデザイン及び実行計画」(以下、政府方針)を踏まえて、資産運用業界の役割や責務などを検討したほか、政府に期待する施策として5点からなる提言を行っている。 同協会では、政府方針の中で示された提言の中でも、(1)貯蓄から投資のための「資産所得倍増プラン」の策定、(2)グリーン・トランスフォーメーション(GX)投資の実現、(3)スタートアップへの投資の促進、の3点が特に重要であるとし、「投資信託等を通じた資産形成による豊かな社会の実現」、「ESG投資等による持続可能な社会の実現」、「スタートアップへの投資の促進」という考え方で貢献したいとする。 また、新しい資本主義実現のための資産運用業界の役割と責務として、(1)資産運用高度化による多様な投資信託商品の提供、(2)プロダクトガバナンスの徹底、(3)エンゲージメント活動による持続可能な社会の実現への貢献、(4)スタートアップに投資する投資信託の検討、(5)投資信託の啓発普及活動の推進、の5点を列挙。(1)では、調査能力・分析能力の向上や新たな投資手法の開発などにより、多様な投資家のニーズに応える投資信託など資産運用サービスの提供を実現するとし、(5)では、NISA、つみたてNISA、DC、iDeCoや投資信託等を活用した少額からの「長期・分散・積立」投資を通じた家計の安定的な資産形成の拡大を支援するため、個人及び職場での啓発・普及活動を積極的に推進するとしている。 その上で、政府に期待する施策として、(1)具体的な数値目標の設定、(2)実践的な金融経済教育の推進(官民の取組体制の法制化)、(3)NISA、つみたてNISAの抜本的拡充、(4)DC、iDeCoの改革、(5)資産形成を促すための措置の導入、の5点を提言している。 (1)では、資産所得倍増プランの策定に当たり具体的な数値目標を設定することが望ましいとし、例として、同協会の「すべての人に世界の成長を届ける研究会(通称:つみけん)」が掲げる2041年の目標数値「つみたてNISA及びDC等による積立投資総件数4000万件」、「つみたてNISA及びDCの残高150兆円」などを挙げている。(3)では、NISA、つみたてNISAの非課税口座開設期間の恒久化や年間投資非課税枠の拡大などを、(4)では、運営管理機関による個別商品の推奨・助言を認めることや、iDeCoなどの拠出限度額の引き上げなどを提言している。(5)では、NISA、つみたてNISA、iDeCoの利用を促進するためにマイナポイントを活用することを求めている。
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