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2022/07/29 19:48
世界経済の先行き懸念が高まり、世界株式の先行き不透明感も深まっている。その中にあって相対的に底堅く推移する日本株と、それを支えるインカムファンドに改めて焦点が当たるか注目したい。 IMF(国際通貨基金)は26日に世界経済見通しを発表し、2022年の世界経済の成長率見通しを3.2%と前回(4月)見通しから0.4ポイント下方修正した。高インフレの継続と、その抑制のための各国中銀の金融引き締めが大きな要因だ。28日には、世界経済をけん引する米国の4−6月期の実質GDP(国内総生産、季節調整済み)速報値が発表され、前期比年率▲0.9%と2四半期連続のマイナスとなった。物価高で個人消費が減速したほか、急速な利上げにより住宅投資が冷え込んだ。FRB(米連邦準備制度理事会)はインフレ抑制のために利上げを進めるが、一方で利上げによる景気減速懸念も高まっており、米国の金融政策は難しい舵取りを迫られている。 インフレ、利上げ、景気減速懸念、ウクライナ問題など懸念材料が山積し、世界株式を取り巻く環境は厳しい状況が続く。その中にあって、日本株は、これまでにも言及されてきたが、依然として底堅い。7月28日時点の年初来騰落率を見ると、米S&P500の▲14.56%に対して、TOPIX(東証株価指数)は▲2.18%に留まる。日本株を支えているのがバリュー株、中でもインカムファンドである点も改めて確認しておきたい。 2022年上半期(1−6月)の国内株式型ファンドのパフォーマンスをウエルスアドバイザーカテゴリ―別に見ると、プラスは「国内大型バリュー」(5.41%)、「国内中型バリュー」(2.69%)の2カテゴリーのみで、他の7カテゴリーはいずれもマイナスとなり、中でも「国内大型グロース」▲9.58%、「国内中型グロース」▲13.83%などグロースでのマイナスが目立った。 上半期の国内株式型ファンドのリターン上位5ファンドにおいても、「ダイヤセレクト日本株オープン」、「日経平均高配当利回り株ファンド」、「日本好配当リバランスオープン」と配当利回りの高い企業の株式に投資するファンドが3ファンドランクインした。世界株式の先行き懸念が拭えない中で、相対的に底堅い日本株、中でもインカムファンドが下値抵抗力を発揮した格好だが、その状況が継続するか注目される。
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