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2022/08/31 13:42
インデックスファンドというと、米国の「S&P500」に代表されるような株価指数に連動するファンドをイメージしがちだが、中には、インデックスファンドを組み合わせた「バランス型」のファンドもある。低コスト、かつ、リスクを抑えた運用商品として注目される。中でも、野村アセットマネジメントが設定・運用する「インデックス・ブレンド(愛称:My Funds−i)」はシリーズ5本のうち4本が、ファンドレーティングで最高格付けの5ツ★を獲得している。低コスト・低リスク、かつ、運用効率にも優れたファンドシリーズとして注目したい。 「My Funds−i」は、新興国を含む国内外の株式や債券、不動産投資信託(REIT)等を実質的な投資対象とし、リスク性資産の投資比率が異なる5つのファンドで構成されている。リスク性資産の投資割合が30%と最も低い「タイプ1」から、同43%の「タイプ2」、55%の「タイプ3」、65%の「タイプ4」、80%の「タイプ5」というラインナップだ。シリーズ5ファンドのうち、4ツ★の「タイプ2」を除く4ファンドがファンドレーティングで最高格付けの「5ツ★」を獲得している(2022年7月末基準)。 シリーズの特徴は、分散投資するファンドが国内株式=「TOPIX(東証株価指数)」、先進国株式=「MSCI−KOKUSAI指数」など、代表的な株価指数に連動するファンドだけでなく、米国で25年以上連続して増配している株式を対象とした「S&P500配当貴族指数」や米ドル建てのハイ・イールド社債を対象としたインデックス「ブルームバーグ米国ハイイールド社債高流動性インデックス」なども対象としていることだ。単純に、国内外の株式・債券・REITを対象にしたバランス型ファンドというだけではなく、各資産の資産構成の内容にまでこだわった分散投資を行っている。この資産の組み合わせについて助言しているのが、野村グループのファンドラップ・サービスの専門会社であるウエルス・スクエアだ。 シリーズの設定は2017年1月なので、5年超の運用実績がある。たとえば、最もリスクが高い「タイプ5」の過去5年(年率)トータルリターンは8.01%になっている。同期間のカテゴリー(バランス)の平均が5.17%だ。また、最もリスクが低い「タイプ1」の5年トータルリターンは2.48%で、カテゴリー(安定)の平均である0.45%を大きく上回っている。信託報酬率(税込み)は、「タイプ1」の0.53%から、「タイプ5」の0.57%まで、0.5%だ。 インデックスファンドの使い方として主流なのは積立投資であり、毎月一定金額を継続的に投資をし続ける積立投資には、比較的価格変動が大きな投資対象の方が向いているという指摘もある。積立途上で株価の暴落などの大きな下落局面があった方が、その下落場面でより多くの口数を購入し続けることによって、将来の価格上昇時により大きな投資収益が獲得しやすくなるという考え方だ。将来の値上がりが確実な資産であれば、積立投資の前半期間の間は大いに下落してくれても良いのだが、リスク性商品の価格が、必ず将来は値上がりするという保証はない。値上がりするとしても、50年先、100年先など、積立投資を予定している期間を超えて遠い将来になるかもしれない。また、単純に今年の米国株価指数のように、短期間で20%〜30%も下落するような動きには耐えられないと感じる投資家もいるだろう。そのような投資家には「My Funds−i」のようなバランス型ファンドがふさわしいといえるだろう。 株式や債券などを幅広く保有する「バランス型ファンド」は、投資先資産のそれぞれの値動きを併せ持つことで、上にも下にも値動きを抑えた運用を実現する。通常は、資産の組み合わせ方法など、専門的な知識を必要とするため、運用コストは高くなりがちだ。そのバランス型を年間0.5%台という低いコストで実現しているのは、投資家にとってうれしいことだ。(グラフは、「インデックス・ブレンド」5ファンドの過去3年間のトータルリターンの推移)
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