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2022/10/04 16:36
大手ネット証券3社の投信積立契約件数ランキング(月次、22年9月)のトップ3は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、「eMAXIS Slim 先進国株式」で、4カ月連続で変わらなかった。前月は同ポイントで第3位に入っていた「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」は4位に後退した。また、前月はトップ10に入っていた「eMAXIS Slim 先進国債券インデックス」は圏外に去り、代わりに圏外から「SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド」が第10位に食い込んだ。「eMAXIS Slim 先進国債券インデックス」がトップ10圏外に落ちたことで、トップ10は米国株インデックスを中心に株式インデックスファンドばかりになった。 ランキングは、定期的に月次の投信積立契約件数トップ10を公表しているSBI証券、楽天証券、マネックス証券の公開情報を使用。各社ランキング1位に10点、以下、順位が落ちるたびに1点を減点し、第10位を1点として、3社のランキング10位までのファンドの点数を集計した。 トップ10に新たに入った「SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド」は、米国株式市場の高配当銘柄の動きを捉えることをめざす「FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス(円換算ベース)」に連動する投資成果を目標として運用するファンドだ。2022年の年初から、米国の利上げによる景気減速懸念を背景として、いわゆる「米国グロース株(成長株)」が大きく値下がりする中で、高配当株式は業績が悪化する懸念が小さい投資対象として選好される傾向がある。「SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド」のパフォーマンスは、22年8月末基準で過去1年のトータルリターンが25.51%と、「S&P500(配当込み/円ベース)」の12.70%、「NYダウ工業株(配当込み/円ベース)」の15.53%を大きく上回っている。 「SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド」がトップ10に入ったことで、「S&P500」などの米国株価指数等に連動する米国株式インデックスファンドが、トップ10の半数を占める5本になった。その他のランキング銘柄も「全世界株式」や「先進国株式」など、株式インデックスファンド一色になっている。今年は、年初からの米国株式の不調を背景に、「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」や「eMAXIS Slim 先進国債券インデックス」など、バランス型や債券ファンドなどが人気化する局面もあった。 それが再び、米国株式を中心とする世界の株式インデックスファンドに、積立対象が戻ってしまった。依然として米国株価の行方は不透明なままだが、積立投資の対象銘柄だけをみると、米国株価が底値を付けたと判断し、米国株価の出戻りを期待するような動きにみえる。この動向が株式市場を先取りしているのかどうか、今後の米国株式市場の行方、そして、来月以降の積立ランキングの変化に注目したい。
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