前のページに戻る
2022/11/04 14:33
大手ネット証券3社の投信積立契約件数ランキング(月次、22年10月)のトップ3は「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」、「SBI・V・S&P500インデックス・ファンド」になった。前月はトップ3に入っていた「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」は第5位に後退した。第4位には「楽天・全米株式インデックス・ファンド」が食い込んだ。トップ10の上位は引き続き、米国株インデックスを中心とした株式インデックスファンドだが、第8位に「イーストスプリング・インド・コア株式ファンド(愛称:+αインド)」、第9位に「Tracers S&P500配当貴族インデックス(米国株式)」がトップ10圏外からジャンプアップしてランクインした。 ランキングは、定期的に月次の投信積立契約件数トップ10を公表しているSBI証券、楽天証券、マネックス証券の公開情報を使用。各社ランキング1位に10点、以下、順位が落ちるたびに1点を減点し、第10位を1点として、3社のランキング10位までのファンドの点数を集計した。 トップ10に新たに入った「イーストスプリング・インド・コア株式ファンド」は、主としてインドの消費関連、および、インフラ関連の株式を投資対象とするアクティブファンドで、2022年7月29日に新規設定された新しいファンドだ。インドの消費関連株式への投資は「イーストスプリング・インベストメンツ・インディア・コンシュマー・エクイティ・オープン・リミテッド」、インフラ関連株式への投資は「イーストスプリング・インベストメンツ・インディア・インフラストラクチャー・エクイティ・オープン・リミテッド」を通じて行う。ともに、イーストスプリング・インベストメンツ(シンガポール)リミテッドが運用を担当し、インド現地の運用会社ICICIAMから投資助言を受けている。 インドは、豊富な若年層を有する良好な人口動態、耐久消費財の低い普及率、急速な都市化などに支えられ、長期的に消費の拡大が続くことが期待されている。また、製造業振興策である「メイク・イン・インディア」を推し進めているインド政府は、高い経済成長を維持するためにはインフラの整備が不可欠としており、インフラ関連銘柄は中期的に魅力的な投資先と期待されている。インド株式は、米国株式市場などが軟調となる中で、史上最高値に迫る水準をキープする好調を保っており、中でも、「個人消費」と「インフラ投資」は、インドの成長を象徴する2本柱といえる存在。その2つの分野に集中して投資する同ファンドへの関心が高まることは当然といえる。 また、第9位の「Tracers S&P500配当貴族インデックス(米国株式)」は、「S&P500配当貴族指数(税引後配当込み、円換算ベース)」に連動する投資成果をめざす、新しいタイプのインデックスファンドだ。「S&P500配当貴族指数」は、「S&P500」構成銘柄のうち、過去25年間連続して毎年増配している優良大型株のパフォーマンスを測定する指数で、いわゆる「スマートベータ」といわれる新しいタイプの株価指数になる。「S&P500」などの従来の指数は、時価総額加重方式で市場全体の値動きを表していたが、「スマートベータ」は定量的なルールに基づいて構成銘柄を選定し、中長期的には従来型の株価指数を上回る運用成績を期待する指数になっている。 「Tracers S&P500配当貴族インデックス(米国株式)」は、10月28日から運用開始したばかりの新ファンドであり、いきなりトップ10に入ったのは、それだけ投資家から待ち望まれていた商品ということもできる。販売手数料はなしのノーロードタイプで、信託報酬も年0.1155%(税込み)という極めて低い水準に設定されている。
ファンドニュース一覧はこちら>>