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2022/12/01 15:36
国民年金基金連合会が12月1日に発表したiDeCo(イデコ、個人型確定拠出年金)の業務状況によると10月の新規加入者数は5万1582人で加入者総数は269万14人になった。新規加入者数は前年同月比22.8%増となり、6カ月連続で前年同月を上回り、月間新規加入者5万人の大台を超えた。なお、従業員のiDeCoに企業が上乗せ拠出をするiDeCo+(中小事業主掛金納付制度)は、実施事業所数は5204事業所、対象従業員数は3万3350人となった。 10月の新規加入者の内訳は、第1号加入者は4989人(前月5215人)、第2号加入者は4万3959人(前月3万3833人)、第3号加入者は2282人(前月2355人)となった。第2号加入者の中では、企業年金なしの新規加入者が2万1358人(前月2万934人)。共済組合員(公務員)の新規加入者は7484人(前月7814人)となった。 企業年金ありの第2号加入者の新規加入が1万5117人と前年同期(5013人)比3倍超と急拡大した。10月1日から企業型確定拠出年金(企業型DC)加入者のiDeCo加入要件が緩和され、従来は、iDeCoへの加入を認めている企業型年金規約の制度に加入している人しかiDeCoへの加入ができなかったが、規約の定めがなくともiDeCoへの加入が可能になった。ただし、企業型DCでマッチング拠出を行っている場合はiDeCoへの加入ができない。また、iDeCoへの拠出額は、企業型DCの事業主掛金と合算して5.5万円以内(企業型DCに加えてDBにも加入している場合は2.75万円以内)。 制度改正によって、新規加入者が爆発的に大きく伸びるということは、それだけiDeCoへの加入意欲が強いことを示しているといえる。iDeCoは拠出金額が所得控除の対象となり、かつ、運用時の収益が非課税という大きなメリットがある制度であるため、税制上の公平性を確保するために、加入者の年金制度加入状況に応じて掛金限度額を細かく区分している。このために、制度加入時に、加入の可否や掛金の限度額などを確認する手間がかかっている。その手間がiDeCo加入の障害にもなっていて、手間を省くことによって加入が進むことがわかった。現在、社会保障審議会で議論されている加入可能年齢の引き上げなど、よりシンプルでわかりやすい制度になっていくことによって、新たなiDeCo加入の呼び水になると考えられる。(グラフは、iDeCoの新規加入者数の推移)
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