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2022/12/07 12:48
DC専用ファンドの2022年11月の純資金流出入額は約470億円の流入超過になり、資金流入超過は2020年12月以降24カ月連続になった。流入額のトップは前月同様に先進国株式で、流入額は約253億円になった。先進国株式には4カ月連続で200億円以上の資金流入が続いている。次いで、前月も第2位だったバランスに約113億円の資金流入があった。また、前月97億円の資金流入となった国内株式は、約25億円の資金流出に転じた。国内株式が資金流出になるのは、22年8月以来3か月ぶりのこと。また、国内債券も約1億円の資金流出で、3カ月連続の資金流出になっている。 DC専用ファンド全体の純資産総額は約9兆4060億円と前月から約9億円増加して史上最高を更新した。残高の内訳は、株式ファンド48%、債券ファンド15%、バランスファンド35%という割合で、前月と同じだった。(※個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない) ■資金流入額ランキングのトップは「野村 外国株式インデックスF・MSCI」 DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングのトップは、「野村 外国株式インデックスF・MSCI」になった。トップ10のうち第9位までが先進国株式インデックスファンドに占められた。前月は、第4位に国内株インデックスファンド「One DC国内株式インデックスファンド」、第8位に先進国債券ファンド「野村 外国債券インデックスF(確定拠出年金)」、第9位にバランスファンドの「三菱UFJプライムバランス(成長型)DC」が入っていたが、今回は、先進国株式インデックスファンド以外のファンドは第10位に「One DC国内株式インデックスファンド」が入っただけだった。 資金流入額上位で目立った特徴は、信託報酬率が低いインデックスファンドが主流になっていることだ。今回のトップ10でも、最も高い信託報酬率が先進国株式インデックスファンドの0.28%で、最も多いのが国内外の株式インデックスファンドを問わず0.15%になっている。かつては、海外株式に投資するファンドは1%を超える信託報酬率が当たり前だったが、現在では0.1%台の信託報酬率が当たり前になっている。 これは、投信市場においてインデックスファンドの利用が一般化したことによって、投資家の間で低コストのインデックスファンドを求める意向が高まったこと、加えて、運用会社のインデックスファンドのマザーファンドの規模が拡大し、コストを低減する余力が生まれたこと。さらに、DC市場改革によって、運営管理機関の評価を5年ごとに行うことがプランスポンサーの努力義務になったことで運営管理機関が、できるだけ低いコストのインデックスファンドへの入れ替えを積極的に行うようになったことなどが影響していると考えられる。 ■トータルリターンのトップは2カ月連続で「ブラックロック・ヘルスサイエンス」 個別ファンドの過去1年間のトータルリターンランキングトップは、前月と同様に「ブラックロック・ヘルスサイエンス・DCファンド」になった。第2位の「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドDC」、第3位の「野村 世界好配当株投信(確定拠出年金)」は前月と同じ。第4位以下は日本株ファンドがランクインし、第4位に「ファンド・コロワイド(DC年金)」、第5位に「損保ジャパン日本株オープン(DC年金)」、第6位に「みのりの投信(確定拠出年金専用)」だった。(グラフは、過去3カ月間の資産別DC専用ファンドの月次資金流出入の推移)
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