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2022/12/27 15:36
三菱UFJ国際投信は2023年1月12日に「eMAXIS S&P500クオリティ高配当インデックス」を新規設定すると発表した。新ファンドは、「S&P500クオリティ高配当指数(配当込み、円換算ベース)」に連動する値動きをめざす。インデックスファンドを使った積立投資運用においては、同社が提供する「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」が圧倒的な人気を集めているが、この「S&P500」指数へのインデックス投資を補完する意味のあるファンドとして成長が期待される。 「S&P500クオリティ高配当指数」は、「S&P500」指数の構成銘柄から、クオリティ・スコア、および、配当利回りの基準から、ぞれぞれ上位200位以内にランク付けされる銘柄を抽出し、原則として両方の基準を満たす銘柄を均等に組み入れた指数。クオリティ・スコアは、収益の創出、収益の質、および、財務の健全性の組み合わせとして定義している。米国大型株で構成される「S&P500」の中でも、競争優位性があって事業基盤が確立し、収益がより安定的な企業が選ばれている。 「S&P500」指数の組み入れ上位は、アップル、マイクロソフト、アマゾン、アルファベット(グーグルの持ち株会社)などIT大手企業が上位を占めるが、「S&P500クオリティ高配当指数」では、バイオ医薬品のギリアド・サイエンシズ、自動車用及び工業用交換部品の流通に携わるサービス会社のジェニュイン・パーツ、金融サービス会社のプリンシパル・フィナンシャル・グループなど、上位の顔ぶれが大きく変わってくる。業種別組み入れ比率でみても、「IT」が26.4%、「ヘルスケア」が15.2%、「金融」が11.6%という「S&P500」指数に対し、「S&P500クオリティ高配当指数」は、「金融」が26%、「資本財」13.3%、「生活必需品」が13%という比率であり、「IT」は9.6%しかない。 このような指数の構成銘柄の違いは、パフォーマンスにも表れている。過去10年間のパフォーマンスを振り返ってみると、「S&P500」指数が金利低下局面や低金利下で良いパフォーマンスを記録している一方、「S&P500クオリティ高配当指数」は金利が上昇する局面では「S&P500」を上回るパフォーマンスを残している。足元の状況においても、2022年11月末現在で「S&P500」指数の過去1年間のトータルリターンがマイナス13.1%のところ、「S&P500クオリティ高配当指数」はプラス3.97%と際立った違いを見せている(米ドルベース)。両指数ともに、米国の株式を主要な投資対象としているため、パフォーマンスの傾向は似ているが、局面においてはかなりの差異が乗じる場合がある。それぞれの指数の性格に合わせて使い分けることも可能といえよう。(グラフは、「S&P500」と「S&P500クオリティ高配当指数」のパフォーマンスの推移)
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