前のページに戻る
2023/02/14 15:18
インベスコ・アセット・マネジメントが設定・運用している「インベスコ世界厳選株式オープン(愛称:世界のベスト)」が4コース(為替ヘッジなし・毎月決算型/為替ヘッジあり・毎月決算型/為替ヘッジなし・年1回決算型/為替ヘッジあり・年1回決算型)の合計での純資金流入が、2017年1月以来2023年1月までで6年超となる73カ月連続になった。資金流入額の規模も増加する傾向にあり、23年1月の純資金流入額は約285億円で過去最高になった。また、23年1月時点の月間純資金流入額では<為替ヘッジなし・毎月決算型>は、全アクティブファンドの中でトップになった。全世界の株式(エマージング市場を除く)の中からトップを選んで投資するという同ファンドのコンセプトが長期の運用実績を背景に、評価を高めているといえよう。 「世界のベスト」は、世界中の株式の中から、「株式投資の王道」である「成長+配当+割安」にこだわって“世界のベスト”に厳選投資する世界株式ファンドだ。<為替ヘッジなし・毎月決算型>は1999年1月に設定され、24年を超える運用実績がある。パフォーマンスは23年1月末時点で10年(年率)トータルリターンが9.51%と日本を含むグローバル株式(為替ヘッジなし)のカテゴリー平均(9.73%)とほぼ同等。グロース株(成長株)が失速し、バリュー株(割安株)の評価が高くなった過去1年間ではトータルリターンが14.39%と、カテゴリー平均(3.20%)を大きく上回っている。 過去1年間の運用成績が示すように、同ファンドは独自のバリュー・アプローチによってグローバル比較で割安な銘柄に厳選投資するため、バリュー株が選好される相場において、優位な運用成績を出しやすいという傾向がある。ただ、銘柄選択にあたっては、独自の財務分析、経営力、ビジネス評価等ファンダメンタルズ分析と株価の適正水準評価等に基づくボトムアップアプローチを行っているため、成長力の強い銘柄についても同社が評価する株価水準に対して割安と判断されれば投資する対象としている。したがって、企業の成長戦略も十分評価しており、市場の環境がバリュー優位でもグロース優位でも市場に勝るパフォーマンスをめざす戦略をとっている。ファンド愛称のとおりに「世界のベスト」をめざすファンドといえ、長期投資の対象として設定・運用されている。 同ファンドへの資金流入が継続し始めた2017年1月は、ちょうど「iDeCo(個人型確定拠出年金)」の加入対象者が公務員や第3号被保険者にまで広がって、「自助努力の年金を自分の力で運用して大きくする」ということが注目されたタイミングだ。翌2018年1月には「つみたてNISA」がスタートし、今に続く、インデックスファンドを使った積立投資を多くの若い人たちが始めるようになった。「iDeCo」も「つみたてNISA」も意図しているのは、「株式等のリスク資産を長期に積立投資することで、将来に大きな資産をつくる」ということだ。「世界のベスト」が2017年1月から資金流入を続けているのは、このような長期積立投資の流れが、同ファンドにも追い風になっていると考えられる。 長期にわたって資金流入が続くファンドは、連続資金流入月数トップの121カ月連続で資金流入が続いている「三菱UFJプライムバランス(8資産)(確定拠出年金)」、120カ月連続の「三井住友・DCつみたてNISA・日本株インデックスファンド」、111カ月連続の「野村DC外国債券インデックスファンド」など、確定拠出年金制度向けに提供されているファンドが多い。100カ月以上の連続資金流入は、上位3ファンドに続いて、110カ月連続の「<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド」、そして、109カ月連続の「セゾン・グローバルバランスファンド」の5本がある。「世界のベスト」の73カ月連続を超えるファンドは、まだ多くある。同ファンドがどこまで連続記録を伸ばせるか注目したい。(グラフは、「世界のベスト」の純資金流入額の推移)
ファンドニュース一覧はこちら>>