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2023/02/20 18:15
2024年からスタートする新しいNISAを使って投資をスタートしようと考えている人は少なくないだろう。従来のNISAでは年間非課税投資額が一般NISAで120万円、つみたてNISAで40万円しかなく、しかも、そのどちらかしか使えなかったことに対し、新しいNISAでは年間非課税枠は最大360万円に拡大される。さらに、非課税期間に限度がないため、この制度を大いに活用して大きな資産を作りたい。現在の一般NISAの後継制度として位置付けられている「成長投資枠」では、上場株式や投資信託など幅広い商品を選択することができる。「つみたて投資枠」が現行のつみたてNISAの対象商品から選ばなければならないことと比較すると、その自由度が高い。新しいNISAを有効に活用することを考えると、この「成長投資枠」で、「成長」にふさわしい投資対象を選ぶことができるかということが重要になる。 「成長投資枠」の活用法として、個別の株式に複数投資することを勧める記事なども目にする。年間投資枠が240万円と、現在の一般NISAよりも2倍に拡大したこと、さらに、投資期限が無期限になったことで、非課税投資枠の中で、投資した銘柄の入れ替えなどを丁寧に行って中長期的に大きな資産を作っていこうという考え方だ。確かに、個別企業の株価動向や業績動向等を細かくチェックすることが好きで、株主優待等もしっかりチェックして上手に株式投資を楽しもうという考えに人には、個別株式に選別投資するという手段も採用できる。ただ、多くの人にとって、日々の株価動向や企業の業績の行方などを継続的に追い続けることは難しいと考えられる。その場合は、そのような株式投資に関する一切の手間をプロに任せる投資信託(ファンド)に投資するという手段がある。 ファンドの場合は、もとより数十銘柄に分散投資し、かつ、投資可能金額は数千円から可能だ。加えて、投資信託の場合は、多くの人からお金をまとめて運用するため、1つの企業に対し投資する金額も大きくなり、当該企業に対して、より良い行動をとるように意見する力も強くなる。近年は特に、運用会社による投資先企業への建設的な対話(エンゲージメント)によって、企業活動を社会的に好ましい状態にし、また、環境保全に積極的に寄与するような取り組みを促すことが求められるようになってきている。個人の力では限界のあることも、投資信託という多くの人が参加することができる器を使えば、より現実的な力を行使することも可能になる。これは、個別の株式投資にはない投資信託を活用するメリットの1つということができるだろう。 たとえば、りそなアセットマネジメントが設定・運用している「りそな日本中小型株式ファンド(愛称:ニホンノミライ)」は、ファンドで投資する銘柄を選定するプロセスにおいて、「社会の構造変化に伴い生じる“社会的な課題”に起因する需要サイドのニーズに着目し、持続的かつ安定的に成長することが期待できる」という銘柄を厳選している。たとえば、社会構造の変化として「地球環境問題」に着目した場合、需要サイドのニーズとしては「再生可能エネルギーの拡大」や「資源の有効活用」などが浮かび上がる。このニーズに対応して成長が期待されるのは、風力・太陽光発電やEV(電気自動車)に関連する企業、あるいは、スマートシティやリサイクル施設、フードテックなどに関連する企業ということになる。同ファンドでは、いわゆる「SDGs(持続可能な開発目標)」との関連性にフォーカスし、より強く持続的な成長が期待できる市場や商品に関連する企業を選定するとしている。さらに、ファンドでは投資先企業とのエンゲージメント(建設的な対話)を重ねて市場評価を高めることをめざす。 同ファンドのパフォーマンスは、2023年1月末現在の過去1年間のトータルリターンが31.85%で、国内中型ブレンドのカテゴリー平均8.85%を大幅に上回り、カテゴリー内でトップの成績。同期間では日経平均株価の1.2%や全世界株式インデックス(MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス)(配当込み・円ベース)の5.60%も大きく上回っている。過去3年(年率)のトータルリターンも17.53%で、カテゴリー平均の7.72%を大幅に上回り、日経平均株価の5.60%やMSCI・ACWI(配当込み・円ベース)の13.21%をも上回っている。国内株式ファンドと比較しても優位なだけでなく、外国株式のパフォーマンスと比較しても優位な成績を残していることに注目したい。 新しいNISAにおいては、「つみたて投資枠」は代表的なインデックス・ファンドを使った積立投資が主流になると考えられる(アクティブファンドでの対象ファンド数は現在26本と選択肢に乏しい)。そして、「つみたて投資枠」でインデックスファンドを選択するのであれば、「成長投資枠」で投資するファンドは、インデックスを上回る成績がないと「成長投資枠」で投資するメリットはないといえるだろう。残念ながら、統計的にはインデックスファンドを上回る成績を残すことができるアクティブファンドは少ない。それでも、探せは優れた成績のアクティブファンドは存在する。インデックスを超える成長を取り入れて、「成長投資枠」を有効に活用したい。(グラフは、「ニホンノミライ」と主要な株式インデックスの推移)
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