前のページに戻る
2023/03/06 16:24
持続可能な世界経済への移行に向けた投資に特化した資産運用会社である英インパクス・アセット・マネジメントが3月6日、2023年3月に東京に日本オフィスを開設すると発表した。日本においては、10年以上前からBNPパリバ・アセットマネジメントを通じて投資家向けに商品を提供してきた。インパクス創業者兼CEOであるイアン・シム(Ian Simm)氏は、「日本には、持続可能な経済への移行に関連する投資機会に大きな関心を持つ、優れたアセットオーナーのコミュニティが存在しており、インパクスは日本でも大きく成長する機会があると確信している」と語っている。 インパクスは、1998年に設立され、上場有価証券およびプライベートマーケット双方の資産運用戦略を通じて2023年1月末現在で約403億ポンド(約6兆4500億円)の運用資産残高を有している。サステナブル投資に特化した資産運用分野では最大規模の運用会社として、英国をはじめ、米国、アイルランド、香港、東京の拠点に約300名のスタッフを配置している。 インパクスは、2022年5月〜7月に募集された東京都の「グリーンファイナンス外国企業進出支援事業」に応募するなど、日本進出の準備を進めてきている。「グリーンファイナンス東京進出支援事業」は、気候変動対策の推進による持続可能な経済や社会の再生の実現を目的とし、グリーンファイナンスに取り組む海外の資産運用会社やフィンテック企業が、東京で新たに事業を開始する際に必要な経費の一部を支援するもの。 2021年に募集した「グリーンファイナンス東京進出支援事業」第1回の採択企業は、「Cogo Connecting Good Ltd.(ニュージーランド)」、「Doconomy AB(スウェーデン)」、「MaximusLife(アメリカ)」、「RepRisk AG(スイス)」、「RIMM Sustainability Pte Ltd.(シンガポール)」、「SESAMm SAS(フランス)」の6社。サステナビリティ経営の評価・スコアリングを行うRIMM」、自然言語処理と機械学習の技術を用いて200億件以上のウェブ記事やフォーラムを多言語にわたり分析する「SESAMm」、ESG関連リスク分析のデータベースを提供する「RepRisk」などが東京にオフィスを開設している。 インパクスは、日本オフィスの開設に先立ち、国内大手年金基金から特定運用信託契約・投資一任契約を受託している。今後、クライアント・リレーションやインベスメント・マネジメントなどの部門において従業員を新規採用する計画にあるという。 東京都の「グリーンファイナンス東京進出支援事業」に世界各国から毎年、多くの企業の応募があるのは、日本におけるサステナブル投資の拡大が世界的にも注目を集めていることの証といえる。2022年にはロシア産の天然ガスの供給不安が高まった影響で欧州などにおいて石炭火力の再稼働など、サステナブルな社会とは逆行するような動きもあったが、そのような危機さえも乗り越えて再生可能エネルギーへの転換等の環境対策の強化は世界的な重要課題に位置付けられている。「グリーンファイナンス東京進出支援事業」の第2回目の採択企業は3月末以降に発表される予定になっている。どのような企業が、日本に進出してくることになるか。その結果に注目したい。(イメージ写真提供:123RF)
ファンドニュース一覧はこちら>>