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2023/03/08 16:18
DC専用ファンドの2023年2月の純資金流出入額(速報値)は約124億円の流入超過になり、資金流入超過は2020年12月以降27カ月連続になったが、流入額は2022年2月(約28億円)以来の低水準になった。流入額のトップはターゲットイヤーの約48億円だった。資金流入額が大きかった先進国株式やバランスへの流入額が急減したため、安定的に資金流入が続いているターゲットイヤーがトップになった。ターゲットイヤーがトップになるのは、2015年2月以来8年ぶりのこと。2015年2月は月間の純資金流出入額が104億円の資金流出で、資金流入が継続していたターゲットイヤーが最も大きな資金流入の資産クラスになった。ターゲットイヤーが資金流入のトップになるのは、全体的に投信への資金流入が不調の時ということができる。 DC専用ファンド全体の純資産総額は約9兆5493億円と前月から約1655億円増加して2022年11月以来3カ月ぶり史上最高の残高を更新した。残高の内訳は、株式ファンド48%、債券ファンド15%、バランスファンド35%という割合で、前月と同じだった。(※個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない) ■資金流入額ランキングのトップは「三井住友・DC外国株式インデックスファンドS」 DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングのトップは、「三井住友・DC外国株式インデックスファンドS」になった。前月同様に先進国株式インデックスに連動するインデックスファンドへの資金流入が続き、資金流入額トップ10のうち3ファンドを先進国株式インデックスファンドが占めたものの、先進国株式インデックスファンドへの集中的な投資は後退している。前月資金流入額で第2位だった「野村 DC外国株式インデックスF・MSCI」が第10位に入ったが、前月第1位だった「野村 外国株式インデックスF(確定拠出年金)」は資金流出に転じている。 一方、バランスやターゲットイヤーに資金流入が目立ち始めている。今月の第2位に「分散投資コア戦略ファンドS」は前月の資金流出から大幅にジャンプアップ。第4位に「インデックスコレクション(バランス株式50)」、第5位に「インデックスコレクション(バランス株式70)」など、バランスファンドが資金流入ランキングの上位を占めている。また、第3位に「マイターゲット2030(確定拠出年金向け)」、第9位に「マイターゲット2035(確定拠出年金向け)」が食い込むなど、ターゲットイヤー型への資金流入も目立ち始めた。このようなバランス系のファンドへの資金流入は、2023年のトレンドになりつつある。今後、どの程度、その勢いが持続するかに注目したい。 ■トータルリターンのトップは「DCダイワ中小型株ファンド」 個別ファンドの過去1年間のトータルリターンランキングトップは、前月は第2位だった「DCダイワ中小型株ファンド」になった。前月第1位だった「ブラックロック・ヘルスサイエンス・DCファンド」は第3位に後退し、第2位には前月はトップ10圏外だった「キャピタル日本株式ファンド(DC年金用)」がジャンプアップした。「キャピタル日本株式ファンド(DC年金用)」は22年2月の設定で、今月から過去1年間のパフォーマンスが確認できるようになった。 また、第4位に「フィデリティ・世界割安成長株(DC)」、第5位に「ピクテ・グローバル・インカム株式ファンドDC」、第8位に「野村 世界好配当株投信(確定拠出年金)」など、株価が割安で高配当が期待できるグローバル株式に選別投資するファンドのパフォーマンスが良くなってきている。2021年の年末まで続いたグロース株(成長株)相場に変わってバリュー株(割安株)に市場の視線が向いていることを反映している。(グラフは、DC専用ファンドの資産クラス別資金流出入の状況)
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