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2023/04/07 16:54
DC専用ファンドの2023年3月の純資金流出入額(速報値)は約1154億円の流入超過になり、資金流入超過は2020年12月以降28カ月連続になり、資金流入額は2020年1月(約1670億円)以来の高水準になった。流入額のトップは先進国株式の約469億円、次いでバランスの333億円だった。先進国株式の468億円の資金流入は2015年1月以来で最高の流入額。2022年12月以来3カ月ぶりに全ての資産クラスが資金流入になった。 DC専用ファンド全体の純資産総額は約9兆7229億円と前月から約1736億円増加して前月に続いて史上最高の残高を更新した。残高の内訳は、株式ファンド48%、債券ファンド15%、バランスファンド35%という割合で、前月と同じだった。(※個別のDC規約では、DC専用ファンド以外のファンドを制度に採用している場合があるため、DC専用ファンド全体の純資産総額は、国内DC制度全体で運用されているファンドの残高とは一致しない) ■資金流入額ランキングのトップは「野村外国株式インデックスF(確定拠出年金)」 DC専用ファンドの過去1カ月間の純資金流入額ランキングのトップは、「野村 外国株式インデックスF・MSCI−KOKUSAI(確定拠出年金向け)」で、第2位に「三井住友・DC外国株式インデックスファンドS」、以下第7位までを先進国株式インデックスファンドが占めた。前月は、資金流入額トップ10のうち3ファンドしか先進国株式インデックスファンドが入らず、先進国株式インデックスファンドへの集中的な投資が後退したようにみえたが、今月は復調した。前月に資金流出だった「野村 外国株式インデックスF・MSCI−KOKUSAI(確定拠出年金向け)」は、たちまち80億円を超える資金流入になった。 外国株式インデックスファンドについては、野村アセットマネジメントが「野村DC外国株式インデックスファンドMSCI−KOKUSAI」と「野村 外国株式インデックスファンド・MSCI−KOKUSAI(確定拠出年金向け)」の信託報酬率を2022年12月28日に年0.154%(税込み)から年0.1023%(税込み)に引き下げたように、信託報酬率の引き下げが相次いでいる。公募投信市場で先進国株式インデックスファンドの信託報酬率が年0.10%程度のファンドが出てきており、DC市場においても信託報酬率の見直しが本格化している。 DC市場では2018年5月に確定拠出年金の「事業主による運営管理機関の評価」制度が施行された。この制度は、直接的には、企業型年金を実施する事業主に運営管理機関の業務について評価を行うことを求めたものだが、結果的に資産運用会社が自社のDC専用ファンドの信託報酬を引き下げることにつながった。運営管理機関の評価制度の導入以降にDC専用ファンドの信託報酬率の引き下げが多く実行されたが、最近では2024年からの新NISAのスタートに合わせて公募インデックスファンドの信託報酬率引き下げが続いており、この流れがDC市場にも波及した格好だ。 一方、第8位には「三菱UFJプライムバランス(安定成長型)DC」、第9位に「分散投資コア戦略ファンドS」といったバランスファンドがランクインした。 ■トータルリターンのトップは2カ月連続で「DCダイワ中小型株ファンド」 個別ファンドの過去1年間のトータルリターンランキングトップは、前月に引き続き「DCダイワ中小型株ファンド」になった。第2位も前月同様に「キャピタル日本株式ファンド(DC年金用)」が入った他、トップ10は全て日本株式で運用するファンドになった。(グラフは、DC専用ファンドの資産クラス別資金流出入の状況)
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