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2023/04/07 20:15
年1回決算型ファンドの存在感が高まっている。ウエルスアドバイザーの調査によると、国内公募追加型株式投信(確定拠出年金専用、ファンドラップ専用、ETF除く)全体の純資産残高に占める年1回決算型ファンドの比率は2023年3月末時点で51.40%に達した。 年1回型決算型ファンドの残高シェアはこの10年間ほぼ右肩上がりで拡大している。10年前の2013年3月末時点の13.92%から、5年前の2018年3月末には30.58%、3年前の2020年3月末には37.24%に上昇。2023年1月末には50.50%と全体の半分を超えた。 対照的に、毎月決算型ファンドではシェアダウンが続いている。2013年3月末の75.39%が2018年3月末には49.98%、2020年3月末には41.38%となり、2023年3月末時点は28.14%と30%を割り込んでいる。 その他の決算回数について見ると、年2回決算型は2013年3月末時点の5.54%から2023年3月末時点には15.67%へと上昇したが、上昇幅は年1回には及ばない。四半期と隔月はほぼ横ばいが続いている。この10年間では、毎月決算型のシェアが年1回決算型にシフトしている。 背景には、長期投資の意識の広がりがある。2014年からの「一般NISA(少額投資非課税制度)」と2018年からの「つみたてNISA」といった制度面の整備を受けて長期投資への関心が高まり、「つみたてNISA」が対象ファンドから毎月決算型を除外したことから、長期投資に資するファンドとして年1回決算型の存在感が増している。 パッシブファンドについて見ると、毎月決算型が2013年3月末時点の30.54%から2023年3月末時点に5.94%と大幅に低下する一方で、年1回決算型は53.22%から87.76%へと大幅に伸びた。つみたてNISA採用の低コストパッシブファンドへの旺盛な資金流入がけん引役となっている。 アクティブファンドでも、毎月決算型が2013年3月末時点の78.50%から2023年3月末時点に34.35%と大幅に低下する一方で、年1回決算型は11.20%から41.22%へと大幅に伸びた。パッシブと同様の動きであるが、発射台が高かったこともあり、依然として毎月決算型が3分の1以上のウエイトを占めている。 2024年からの新NISAでは、現行の一般NISAの後継ともいえる成長投資枠において投資対象のファンドから毎月決算型が除外された。アクティブファンドにおける毎月決算型から年1回決算型へのシフトが一段と加速すると見られる。
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