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2023/05/18 14:30
日経平均株価が5月17日に終値で3万円の大台に乗せ、日本の株式市場への注目度が高まってきた。5月の連休明けに新型コロナウイルス感染症が季節性インフルエンザと同等の5類に分類され、徹底して3蜜を避けてきた日本の日常が「コロナ前」の状態に本格的に復調しようとしている。米国の著名な投資家であるバフェット氏が日本株への投資に前向きな姿勢を示すなど海外投資家の投資姿勢も高まってきた。その中にあって、4月末現在で過去1カ月の日本株ファンドのパフォーマンスランキングで、通貨選択型やETFを除くトップに「SMT 日本株配当貴族インデックス・オープン」がなった。同ファンドは、「S&P/JPX配当貴族指数(配当込み)」に連動する運用成果をめざすインデックスファンドで、信託報酬率は年0.462%(税込み)。日経平均株価やTOPIX(東証株価指数)を上回る運用成果に注目される。 「SMT 日本株配当貴族インデックス・オープン」の過去1カ月間(4月末基準)のトータルリターンは5.02%、それに次ぐのは「イオングループ・ファンド」の4.83%、「アムンディ・ターゲット・ジャパン・ファンド」の4.70%などで、唯一5%を超える値上がり率を記録した。4月の日本株インデックスの月次リターンは、日経平均株価が2.91%、TOPIXが2.69%であり、その水準を大幅に上回っている。 また、4月末を基準として「SMT 日本株配当貴族インデックス・オープン」のトータルリターンは過去1年が18.40%、過去3年(年率)が17.52%、過去5年(年率)が6.07%であり、同じく日経平均株価の7.48%、12.64%、5.13%、そして、TOPIXの8.31%、12.01%、2.97%と比較して1年と3年で大幅に上回っている。過去5年の成績も年0.462%の信託報酬率を勘案すれば日経平均株価を上回るパフォーマンスともいえ、中期的にも優れたパフォーマンスを残していることが確認できる。 このファンドが連動をめざす「S&P/JPX配当貴族指数(配当込み)」は、TOPIXの構成銘柄のうち、10年以上にわたり毎年増配しているか、又は、安定した配当を維持している銘柄を対象とし、配当利回りにより加重され算出される指数。リバランス時における構成銘柄数は最低40銘柄とし、10年以上にわたり毎年増配しているか、又は、安定した配当を維持している銘柄数が40銘柄を下回った場合には、7年以上にわたり毎年増配しているか、又は、安定した配当を維持している銘柄を配当利回りの高いものから順に40銘柄になるまで構成銘柄に追加するというルールで指数を構成している。 10年以上という長期にわたって増配等をできる企業は、成長企業というより、生活必需品などを扱っているような安定成長が可能な企業で、かつ、企業として株主還元に対する意識が高い企業ということができるだろう。実際に、4月末現在の組入上位銘柄は、トップ以下は東洋製缶、住友林業、稲畑産業、ダイセル、エクシオグループであり、TOPIXの構成銘柄の上位銘柄であるトヨタ自動車、ソニーグループ、キーエンス、日本電信電話、三菱UFJフィナンシャルグループとは大きく異なる。TOPIXの組入業種は電気機器、情報・通信業、輸送用機器がトップ3だが、「S&P/JPX配当貴族指数」では、建設業、銀行業、化学が上位を占める。日経平均株価の組み入れ上位業種は、電気機器、小売業、情報・通信業なのでTOPIXに近いが、「S&P/JPX配当貴族指数」の構成業種はTOPIXや日経平均株価とは大幅に異なっている。 このように同じように日本株を対象としたインデックス(株価指数)であっても、これほど実際に投資する銘柄の内容が異なると、TOPIXや日経平均株価のインデックスファンドを保有している投資家でも「SMT 日本株配当貴族インデックス・オープン」を持つメリットがある。日本の経済が「脱コロナ」で正常化に向かうことを評価するのであれば、TOPIXより「SMT 日本株配当貴族インデックス・オープン」の方が評価されやすいといえる。電気機器や輸送用機器のように海外市場で強い業種は、米国の景気後退懸念やウクライナ情勢など地政学リスクを抱える世界市場は、今後の見通しに不透明感があるが、国内市場は停滞から復調へと回復の見通しがはっきりしているためだ。そのような足元の経済環境を考えても「SMT 日本株配当貴族インデックス・オープン」は魅力的な投資対象といえるのではないだろうか。(図版は、「SMT 日本株配当貴族インデックス・オープン」のパフォーマンス推移)
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