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2023/05/22 16:57
インドに対する注目度が高まっている。G7広島サミットでも、インドのモディ首相は新興国全般を示す「グローバル・サウス」の代表とみなされ、ウクライナのゼレンスキー大統領が来日早々にモディ首相とトップ会談を行ったことが大きなニュースになった。中国を抜いて世界トップの人口大国となり、今後も旺盛な内需を背景とした経済成長が期待されているが、アムンディ・ジャパンは5月22日にアムンディ・インスティテュートが発行したレポート「将来のインドへの投資機会に向けて」を紹介し、「インドの力強い人口動態と地政学上の構図における役割は、世界の投資家にとって長期的なチャンスとなろう」と、インドへの力強い期待を表した。 2023年4月末現在でみると、インドの株式市場は上昇一服といった商状にある。「MSCIインド(配当込み、円ベース)」は1年トータルリターンがマイナス3.15%であり、全世界株式の「MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(配当込み、円ベース)」の6.01%に大きく見劣りし、新興国株式の「MSCIエマージング・マーケッツ・インデックス(配当込み、円ベース)」の0.21%も下回った。しかし、過去3年間(年率)のパフォーマンスはすばらしく、インドは29.02%であり、全世界株式の20.85%を上回り、新興国株式の12.94%よりはるかに高いリターンを記録している。3年にわたって高いリターンを記録しているものの、足元は上昇の勢いが削がれたような状況といえる。引き続き上昇を期待しても良いのかどうか、迷いが生じるところだ。 アムンディ・インスティテュートのレポートでは、「インドの長期見通しは、一般的には、人口動態、都市化、デジタル化、中産階級の増加、そして、これらがもたらす市場の拡大に注目している。これらの特徴は、過去10年で確立され、今後何年にもわたって成長の原動力となるものである。しかし、インドへの投資を継続する上で、さらに説得力のある新たな特徴が現れつつある」とし、3つのポイントを紹介している。1つは、インドの銀行が不良債権問題を解決し、財務が健全化するとともに、「グリーン・フィールド投資」の促進に動いていること。そして、2020年3月に開始された「生産連動奨励金(PLI)」制度が14分野に拡大され、PLI支援のための補助金は今後10年で330億ドルが予定されインドへの投資促進が図られていること。さらに、インドは中国から離れ、ビジネスを多角化、分散化する戦略により、特に、化学、繊維、電気、輸送機器分野で世界の輸出に占める割合が高まり、政府支援による新たなインフラ投資に拍車がかかることが見込まれることだ。 これらを背景として、インドの債券は、「来年はインドの債券から実質レベルでプラスのリターンが得られる可能性がある。利回りは相対的にも絶対的にも魅力的である」と評価している。そして、インド株式は、インドの企業収益が好調を維持していることに加え、「新産業の出現、中国プラス1、不動産建設の復活も、中期的な企業の設備投資サイクルの好調を示唆している。市場の力学がシクリカル産業、バリュー株、中・小資本企業にシフトしていることは、投資家の好みが経済的につながりのあるセグメントにシフトしていることを示している」として強気の見通しを堅持している。 アムンディ・ジャパンが運用している代表的なインド株ファンドに「アムンディ・りそなインド・ファンド(愛称:マハラジャ)」がある。運用にあたっては、アムンディがインドで200年以上の歴史を持つ大手銀行の1つであるインドステート銀行と2004年に合弁で設立した「SBIファンズ・マネジメント・プライベート・リミテッド」からの投資情報を活用してアムンディ・ホンコン・リミテッドが実質的な運用を担っている。2006年1月の設定で17年以上の運用実績があるが、10年(年率)トータルリターンが11.84%とカテゴリー(国際株式・インド・為替ヘッジなし)平均の10.04%を上回る成績を残している。インドの株式に投資するファンドとして注目していきたい。(図版は、「アムンディ・りそなインド・ファンド(愛称:マハラジャ)」と主要株価指数の推移)
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