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2023/07/12 16:15
日興アセットマネジメントは2023年7月7日までに、サステナブル投資で独自の強みを持つ英国のオズモシス社(Osmosis(Holdings) Limited)と戦略的なパートナーシップ契約に関する基本合意書を締結した。日興アセットグループは、オズモシス社への出資を検討するとともに、オズモシス社が運用する商品について、アジア太平洋地域での販売権を取得する方針だ。 日興アセットマネジメントは、1999年に日本初の社会的責任投資(SRI)ファンドを設定して以来、環境に配慮した資産運用を行ってきた。また、近年では、シンガポールを中核拠点にグローバル・サステナブル・インベストメント・チームを拡充したほか、アジアを拠点とする資産運用会社として初めて、スチュワードシップの世界最高水準である英国スチュワードシップ・コードの署名企業として承認されるなど、グループ全体でESG(環境・社会・ガバナンス)投資を戦略的優先事項の中核の1つと位置づけている。 オズモシス社は2009年の設立(本社は英ロンドン)ながら、「優れた投資リターンと環境成果の向上の実現にフォーカスし、リサーチをベースとしたクオンツ運用」を展開し、約140億米ドル(約1兆9600億円)を運用している。英国、ヨーロッパ、北欧、北米、南米、アジア、オーストラリアに、政府年金基金、州年金基金、保険会社、財団、基金、ファミリーオフィス、銀行などの顧客を有している。そして、一貫したアウトパフォーマンスを実現しており、「高い潜在的成長性を見込んで」、今回の提携に至ったという。 たとえば、オズモシス社の主力商品の1つである「Osmosis Resource Efficient Core Equity Strategy(オズモシス・リソース・エフィシェント・コア株式戦略)」は、資源効率性ファクターとして「炭素の排出量」、「水の消費量」、「廃棄物の発生量」の3つを利用して、ベンチマーク(MSCI World)に対して超過収益の獲得をめざす戦略だが、ベンチマーク対比で、炭素・水・廃棄物の使用量を60〜70%削減したポートフォリオを実現している。 オズモシス社のCEOであるベン・ディア氏は、今回の提携について「日興アセットの確立された販売ネットワークを通じて、アジアにおいて炭素・水・廃棄物を大幅に削減しつつ、より優れたリスク調整後リターンを目指す独自の投資アプローチを広めていきたいと考えています」と期待を寄せている。日興アセットの代表取締役社長のステファニー・ドゥルーズ氏は、「サステナブル投資分野において、卓越した信頼性を有するオズモシス社は、革新的なアプローチで長年にわたり実績を積み上げてきた、極めてユニークな存在です。両社は企業カルチャー面でも非常にフィットしており、共に成長できる最適なパートナーといえます」とコメントしている。 今後は、主に機関投資家に同社戦略の提案を推進する計画だという。日本では、公的年金、企業年金、生命保険、また、ESGに関心がある銀行、そして、東南アジアではSWF、中央銀行などが提案の候補先になる。また、「同社の戦略は、資源を効率的に活用している企業に重点的に投資するユニークな戦略であり、運用成績も好調」ということから、個人投資家向けにも展開が可能と考えているようだ。(イメージ写真提供:123RF)
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