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2023/07/26 10:39
グローバルで証券取引アプリを提供しているWebullグループの日本法人ウィブル証券は7月25日、米国CEOのアンソニー・デニエー(Anthony Denier)氏(写真:右)を迎え、急成長を遂げている同社の事業内容や日本での展開について記者説明会を開催した。Webullグループが日本で開催する初めての記者説明会となった。デニエー氏は、「米国で3500万ダウンロードされ、証券取引サービスを開始した2018年から約5年で口座数が全米7位〜8位に位置するリテール証券会社に急成長した経験を日本の投資家の皆様に届けたい」と日本での本格的なビジネスのスタートに期待した。日本法人の代表取締役社長の小島和氏(写真:左)は、「米国ではミレニアム世代を中心に若い投資家の圧倒的な支持を得ている。日本でも30代を中心にした若い世代にアピールしていきたい」と同社の強みを活かして日本でも顧客獲得を進めるとした。 米フロリダ州に本社を置くWebullグループは、「マーケットデータアプリ」の提供から事業をスタートした。デニエー氏は「一般に証券会社は証券取引プラットフォームを提供し、その上で情報提供を始めるが、当社は逆のスタートになっている。これが、当社の特徴であり、強みにもなっている。今でもマーケットデータ等の提供は証券取引口座を開かずとも利用することができる。情報提供を通じた投資教育・投資啓もう活動が当社の基礎であり、SNSを通じてコミュニティで積極的に情報の受発信を行っているミレニアム世代がコミュニティの核をなしている」と語る。 同社の米国における顧客層は、平均年齢が36歳、残高がある口座の平均資産額は2000ドル(約28万円)。「従来の証券会社は、2000ドル程度の資産額を顧客ターゲットに置いていなかった。ただ、ミレニアム世代は米国で720万人、世界で18億人という多くの人口になる。そして、ミレニアム世代の取引高は過去10年間で58兆ドルから117兆ドルへと2倍以上になった成長市場だ。この世代の支持を受けることで次世代の証券マーケットの勝者になる」(デニエー氏)と語る。ミレニアム世代は、自己の体験をリアルタイムで発信し、そのリアクションを得ることで情報を共有するという特徴があり、その顧客ニーズを満たすためにSNSのようなコミュニケーションツールのサービス向上に努めてきたという。スムーズな取引体験も含め、顧客の満足度を高める改善を繰り返した結果、証券取引アプリとしての評価では全米第1位の高い評価を獲得している。 顧客どおしのコミュニティは、ユーザーによるQ&A機能などユーザー発信によるコンテンツが充実し、ユーザーが体験から得た投資教育コンテンツになり、ユーザー同士が学び合うコミュニティとして新しい投資教育プラットフォームになっている。これが、利用者の継続率を高める大きな力になっているという。一方、40取引所から市場データを取得し、どこよりも多くの分析ツールを揃え、チャートも50種以上の種類に対応する他、アルゴリズム取引(プログラムによる自動取引)、マルチレッグのオプション取引、バスケット取引など、セミプロといわれる熟練者が求める高度な取引にも対応している。また、取引プラットフォームとしてもクラウドベースで「トレードが停止しない」ことを徹底して追求している。たとえば、2021年1月29日のGamestop株の株価乱高下時でも機能停止の報告がゼロ件と他社を圧倒する取引実績を残した。 日本では、2021年12月に山源証券の買収を完了し、2023年4月に監督当局の審査手続きが完了したことに伴って、証券取引アプリの提供を開始。2023年4月に米国現物株式とETFの取引サービスを開始。6月に日本株式の取引サービスを開始。そして、7月18日から、米国個別株オプション(SSOs)と米国株指数オプションの取引サービスを開始した。米国株指数オプションを提供する証券会社は国内で初めてだ。米国では、米国株指数オプションとしてVIX(ボラティリティインデックス)やSPX(スタンダード&プアーズインデックス)やXSP(ミニSPXインデックス)などの株価指数オプションの取引が活発に行われている。 小島氏は、「日本においても、米国で成功したコミュニティづくりに注力し、証券取引プラットフォームとしては世界の市場に手軽に投資機会を求められるだけでなく、インベストメントやウエルスマネジメントのサービスまで提供したい。また、アプリには将来的にはペイメントサービスも搭載し、1つのアプリであらゆる金融サービスが実現できるスーパーアプリをめざす。NISA対応も進めていきたい」と語っていた。 Webullは、2016年創業のフィンテック企業で米フロリダ州に本社を構える。グローバルで証券取引アプリを提供し、2023年7月現在、世界8つの国・地域(米国、日本、英国、香港、シンガポール、オーストラリア、マレーシア、南アフリカ)でライセンスを取得し、2000万人以上の個人投資家にサービスを提供している。(写真は、Webull日本法人社長の小島和氏(左)と米国CEOのアンソニー・デニエー氏(右))
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