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2023/09/15 10:54
「明治安田DC外国株式リサーチオープン(愛称:DCジェットストリーム)」と「楽天資産形成ファンド(愛称:楽天525)」が9月14日、「つみたてNISA」の対象ファンドに登録された。これによって、つみたてNISA対象ファンド数は、「指定インデックス投資信託」が209本、「指定インデックス投信以外の投資信託(アクティブ運用投信等)」が33本、そして、「上場投資信託(ETF)」が8本の合計250本になった。つみたてNISAの対象ファンドは、2024年1月から始まる新しいNISAにおいて、「つみたて投資枠」(非課税投資枠は年間120万円で上限1800万円)で投資できるファンドのリストにもなる。選定されるには、販売手数料がゼロ(ノーロード)など条件があり、特に、アクティブファンドなどを含む「指定インデックス投信以外の投資信託」についての条件が厳しく、なかなか採用銘柄の拡充が進んでいない。新しいNISA制度の利用を促進する上で、この「指定インデックス投信以外の投資信託」の拡充が期待される。 指定の株式インデックスに連動するインデックスファンド以外の投資信託としてつみたてNISA対象銘柄になるには、「ノーロード」、かつ、信託報酬率が国内ファンドでは年1.0%(税抜き)以下、海外ファンドでは年1.5%以下などという「手数料水準の基準」をクリアし、それに加えて、「純資産残高が50億円以上」、さらに、「信託開始後5年以上、かつ、信託期間中の3分の2以上で資金流入超」という厳しい条件をクリアする必要がある。このため、つみたてNISAの制度が始まった2018年1月から5年以上が経過したにもかかわらず、「指定インデックス投信以外の投資信託」の登録ファンド数は、ごく限られた銘柄になっている。 「つみたてNISA」の対象ファンドは、毎月一定額を継続投資する積立投資を前提にした銘柄として、販売時手数料を無料とし、運用時にかかる手数料(信託報酬率)も極力低く抑えることを登録の第一条件にしている。それに加えて、できるだけ長期の運用に耐え得るためにという配慮からだろう、指定インデックスは代表的なインデックスに限定し、指定インデックス以外のファンドには残高基準と資金流入の基準を設けている。特に、資金流入基準は、国内の投資信託の保有期間が概ね3年間と推計される中で、5年以上の期間にわたって3分の2以上で資金流入という条件を満たすことは非常に難しい条件といえる。それだけに、その厳しい条件をクリアして登録されたファンドは、積立投資の対象ファンドとして相応しい資質を備えたファンドということもできるだろう。 「明治安田DC外国株式リサーチオープン(愛称:DCジェットストリーム)」は、ファンド名に「DC(確定拠出年金)」とあるように、DCで活用される外国株式のアクティブファンドだ。日本を除く先進国株式インデックスである「MSCIーKOKUSAI(円換算)」を中長期的に上回る運用成果をめざす。「成長性」、「クオリティー」、「バリュエーション」の基準によって投資候補銘柄を発掘し、運用チーム内で十分な意見交換の上で組入れの可否とウエイトを決定するというボトムアップ型の運用を行っている。「新NISA」の成長投資枠の対象ファンドとしてもリストアップされている。 「楽天資産形成ファンド(愛称:楽天525)」は、日本を含む世界の伝統的資産(株式・債券)に分散投資を行うことにより、信託財産の成長と安定した収益の確保をめざすバランス型ファンドで、基本資産配分比率は明治安田アセットマネジメントの年金運用によって長年培われてきたアセットアロケーション手法を活用して決定している。また、日本株式やアメリカ株式など、各資産への投資は、実績のあるマザーファンドを通じて行っており、各マザーファンドがアクティブファンドとして対象資産のインデックスを上回る実績を残している。このファンドも「新NISA」の成長投資枠の対象ファンドにリストアップされている。 「新NISA」によって得られる非課税限度額の1800万円をフルで活用するためには、「つみたて投資枠」の対象ファンドを上限まで積立投資で積み上げる、または、積立投資に「成長投資枠」(上限1200万円)を併用するという方法がある。いずれにしても「つみたて投資枠」を活用しないと上限1800万円をフルに活用することはできない仕組みだ。「つみたて投資枠」に魅力的なファンドが揃うことが、「新NISA」の魅力を高めることにもつながるといえよう。 「指定インデックスファンド」は、概ね主要なインデックスには対応するインデックスファンドが揃い、しかも、信託位報酬率は年0.1%程度と非常に低い水準に引き下げられた。今後は、「指定インデックス以外の投資信託」の分野で、魅力のあるファンドの追加を期待したい。(イメージ写真提供:123RF)
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