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2024/09/05 11:06
大手ネット証券3社の投信積立契約件数ランキング(月次)2024年8月のトップは「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」、第2位は「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」で前月と同じだった。第3位には前月の第4位から「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」が浮上。第4位には「日経平均高配当利回り株ファンド」が前月の第8位からジャンプアップするなど、日本株ファンドのランクアップが目立った。また、同ポイントの第4位に「iTrustインド株式」が前月の15位から大幅にランクアップし、「iFreeNEXT インド株インデックス」も前月の第5位から浮上するなど、インド株ファンドの人気も回復した。 ランキングは、定期的に月次の投信積立契約件数トップ10を公表しているSBI証券、楽天証券、マネックス証券の公開情報を使用。各社ランキング1位に10点、以下、順位が落ちるたびに1点を減点し、第10位を1点として、3社のランキング10位までのファンドの点数を集計した。 「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」に続いて、「eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX)」が第3位に浮上してトップ3を「eMAXIS Slim」シリーズで独占した他、第10位にも「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」が食い込むなど、「eMAXIS Slim」シリーズの強さが際立っている。このため、トップ10圏内には、主要なインデックスファンドは「楽天」の「S&P500」と「オールカントリー」、そして、「iFree」の「S&P500」が残るのみとなった。 インデックスファンドの差別化要因は、運用管理手数料(信託報酬)くらいしかない。人気のあるインデックスファンドは、販売手数料が無料になっている。そして、信託報酬は年0.1%を下回る水準になっている。その中で、「eMAXIS Slim」シリーズは、商品コンセプトとして「業界最低水準」を謳い、実際に競合ファンドが手数料率を引き下げるたびに、業界最低水準の手数料率を引き下げてきた。競合他社が、「S&P500」や「全世界株式(オール・カントリー)」など、一部の銘柄に絞って極端な手数料率の引き下げを行ったとしても、その全てに同水準への引き下げを実施し、結果としてシリーズ全ての銘柄で「業界最低水準」を実現している。結果として「eMAXIS Slim」をブランドとして磨いてきたことになる。 8月に日本株ファンドに人気が戻ったのは、月初の株価急落を受けての押し目買いの意識が高まったためだろう。8月1日に「日経平均株価」が975円安、翌2日には2216円安と続落し、翌営業日の5日には史上最大幅の下落となった4451円安になった。7月末に3万9101円だった日経平均株価は5日の終値は3万1458円に落ち込んだ。そこから株価は急反発し、6日は史上最大の上げ幅になる3217円高となった。短期間で株価が大きく下落した後、急反発する動きに、株式市場の先高観を感じた投資家は少なくなかっただろう。それは、日本株に連動して下落した米国株価が8月の間に「NYダウ」は史上最高値を再び更新し、「S&P500」も史上最高値に1%程度に肉薄したことによって、日本株の追随高の期待につながったといえる。 一方、インド株については、代表的なインデックスである「Nifty50」が8月1日に史上最高値の2万5010ポイントに達したものの、その後、日米株価の急落を受けて下落に転じ、8月6日には2万3992ポイントにまで沈む。その後、株価は上昇を続け、8月26日には史上最高値を更新した。改めてインド株の強さが意識され、「iTrustインド株式」と「iFreeNEXT インド株インデックス」が同ポイントでランキングの第4位に浮上した他、トップ10圏外でも「HSBC インド・インフラ株式オープン」などがポイントを積み増していた。米国「S&P500」が市場のけん引役としてリーダーの役割を担っているが、これに続くのは日本株か、インド株か。今後の展開を見守りたい。
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