スーパーマイクロは一時8%超安、ヒンデンブルグが同社株の空売りを明らかに

2024年08月28日 10:21

 AI(人工知能)向けサーバー大手スーパーマイクロコンピューター<SMCI>が27日、前日比で一時9%近く安い513.50ドルと急落した。米投資調査会社のヒンデンブルグ・リサーチがスーパーマイクロ27日、スーパーマイクロが会計操作を行なっていると主張したうえで、同社株を空売りしていると明らかにした。

 ヒンデンブルグによると、スーパーマイクロは経営陣や主要株主などの関連当事者との未公表の取引や、輸出規制を順守していないことなどの証拠を見つけたと指摘。具体的には、18年に決算報告書をSEC(米証券取引委員会)に提出できず、一時的にナスダック店頭市場から除外された不正会計スキャンダルに直接関与した3人の取締役を再雇用していたとしている。

 また、スーパーマイクロが競合他社との重要な差別化技術として喧伝しているハイエンドサーバーの液体冷却技術は自社技術ではなく、実際にはスーパーマイクロのチャールズ・リャンCEO(最高経営責任者)の兄弟が経営する台湾籍の同業エイブルコム・テクノロジーによって開発された可能性があるとも指摘している。

 さらに、「スーパーマイクロは先駆者利益を得たが、依然として重大な会計やガバナンス、コンプライアンスの問題に直面しており、劣悪な製品とサービスを提供している」とした。

 ヒンデンブルグは企業の会計操作疑惑などを暴露することで株価を急落させ、空売りを仕掛けるショート・セラーとして知られる。最近では、インド複合企業大手ゴータム・アダニ・グループがウォッシュトレーディングという株価操作により取引が活発に行われているように見せる仮想取引疑惑で話題を呼んでいる。

 経済通信社ブルームバーグによると、スーパーマイクロの広報担当者はヒンデンブルグのリポートについて、噂や憶測にはコメントしないとしている。

 スーパーマイクロの株価は朝方に大きく下げたあと買い戻され、前日比2.64%安の547.64ドルで引けた。

提供:ウエルスアドバイザー