株式投信の純資産額が4年8カ月ぶりに60兆円台回復―3月の投信概況

 投資信託協会は11日、3月の投信概況を発表した。3月の単位型を含む株式投信の資金増減(設定から解約・償還を差し引いた増減)は9943億円の純増となり、2カ月連続の純資金流入となった。運用は1兆8523億円の増加と7カ月連続で増加した。この結果、純資産額も7カ月連続で増加し、前月比2兆8466億円増の60兆482億円となった。リーマン・ショック前の2008年7月以来、4年8カ月ぶりに60兆円を回復した。

 投信協会では2カ月連続の純資金流入について、「円安が進み、金利が低下して株式市場が上昇したことから投信にとっては非常に良好な結果になった」(乾文男・投信協会副会長)と指摘。実際に設定額は前月から増加し、4兆729億円と2007年6月以来の高水準となっている。

 3月は、米国で良好な経済指標が相次いだことでドル高・円安が進行し、1ドル=96円台まで上昇。日銀新体制が発足して大胆な金融緩和への期待が高まったことも円売りを促した。株式市場でも円安や日本のTPP(環太平洋経済連携協定)への交渉参加表明が好感され、TOPIX(東証株価指数)は前月末比6.05%上昇。海外株式は新興国がまちまちだったが、NYダウ工業株30種平均が過去最高値を更新するなど良好だった。

 商品分類(投信協会の新分類基準)別の資産増減では、国内株式、国内REIT(不動産投資信託)、海外株式に投資するファンドなどが純資金流入となった一方、海外債券、国内債券に投資するファンドなどが純資金流出となった。ただ、運用ではすべての資産分類がプラスになり、国内株式、国内REITに投資するファンドなどの運用増が目立った。

 なお、公社債投信を含む総合計では、資金が6カ月連続の純資金流入となり、運用は7カ月連続で増加。純資産額は前月比3兆1247億円増の72兆6315億円となり、同じく2008年7月以来の高水準に達した。
提供:モーニングスター社
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