<最優秀ファンド賞>SMAM「Jリート・アジアミックス・オープン」、Jリートの魅力とアジアの成長

 三井住友アセットマネジメントが運用する「Jリート・アジアミックス・オープン(資産成長型)」がモーニングスターアワード・ファンド オブ ザ イヤー2018のREIT型 部門(対象ファンド数:404本)で最優秀ファンド賞を受賞した。同ファンドは3年リターンは全ての月でプラスになるなど、安定したトータルリターンを残し、2018年のリターンやシャープレシオは類似ファンド分類の中でトップの成績となった。三井住友アセットマネジメントの株式運用グループ シニアファンドマネジャー秋山悦朗氏に、同ファンドの運用について聞いた。

 ――Jリートとアジアリートを組み合わせるというファンドコンセプトの意図は?

 2017年は世界のリート市場が全般に値上がりする中でJリートはマイナスのパフォーマンスでした。18年は、反対に世界の市場が良くない中でJリートは2ケタの伸びで好調な成績でした。Jリートに単独で投資していると、年によって成績のアップダウンがあったのですが、アジアリートを組み合わせた当ファンドのパフォーマンスは、17年がプラス9.7%、18年がプラス4.9%と安定しています。今回、最優秀ファンド賞の受賞理由の1つであった3年間保有すれば、いつ投資してもプラスのリターンだったという結果も、Jリートにアジアリートを組み合わせた効果が反映していると思います。

 このファンドは、好調な不動産市況に加えて、緩和的な金融政策が当面は続くであろうことから、投資先として大変魅力のあるJリートに、Jリートにはない魅力を持つアジアリートを50%程度ずつ組み合わせることで、良いところがミックスされた運用商品として開発しました。アジア地域は人口が増加し、経済成長に伴う不動産価格の上昇期待があるJリートにはない成長性の魅力があります。また、アジアリートには農業リートやデータセンター特化型などJリートにはないタイプのリートもあります。多種多様なリートに投資することは、運用の安定度を高めることにつながります。

 ――銘柄選択など運用のポイントは?

 リート運用チームは、東京に3名のファンドマネージャーがいて、アナリストは東京、香港、シンガポールに拠点を置いています。銘柄カバー率は、Jリートを含むアジアリートの時価総額の95%に達し、中・小型銘柄も含めて調査し、世界の運用会社の中で最もきめ細かな調査をしていると自負しています。Jリートを含めたアジアリート全体の中から、より魅力的な銘柄を厳選して運用ポートフォリオを組んでいます。

 海外に拠点を置くアナリストチームも全員がJリートの調査経験があります。アジアリートとJリートとの比較ができるなど、チーム全員が同じ目線でディスカッションできることで、緊密な意思疎通ができています。また、Jリートとアジアリートを同じ物差しで横比較して、成長性や安定性の面でより魅力的な方を組み入れる、あるいは、配分ウエイトを高くするなど、横串を入れて銘柄分析していることも強みです。

 ――Jリートやアジアリートの今後の見通しは?

 Jリートは、2017年に不動産市況が良かったにもかかわらずパフォーマンスが悪かったことで、Jリート各社は自社株買いや組み入れ不動産の入替など、価値向上のために様々な自助努力を始めました。その結果もあって、18年のJリート価格の大幅上昇はあったのですが、この自助努力は今も継続しその効果は単年で終わるものではなく、これからジワジワと効いてくると思っています。不動産市況そのものは依然として良好な状態で、金融緩和にも変化がないため、Jリートの投資環境は引き続き良好です。

 アジアリートも引き続き高い成長が見込まれます。オーストラリアやシンガポールのオフィスが好調です。また、シンガポールリートが昨年にマイナスのパフォーマンスだったのは、増資が大量に実施されてダイリューション(希薄化)が起こったことが背景の1つでした。その増資によって得た資金で購入した不動産が収益に貢献し始め、今年は成長が期待できます。

 一方、この2月からリートの投資価値判断の一環としてESG(環境・社会・ガバナンス)評価を組み入れました。この手法は、国内のリートファンドではほとんど例がないでしょう。これまでもガバナンスの評価は、個別の銘柄では突然の経営者の辞任など思わぬリスクを軽減する効果が確認されていましたが、これからは投資評価の視点の1つとしてESGスコアを全銘柄で参照するようになるため、リスク管理が一段と高度化し、運用が安定すると期待されます。中長期の投資対象として当ファンドをご活用ください。
提供:モーニングスター社
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