株価が高値を更新する中での株式投資法、ファンド「風神雷神」は先物活用し実質投資比率を柔軟に調整

 米国を代表する株価指数である「S&P500」が11月13日に再び史上最高値を更新した。9月2日以来、2カ月ぶりの高値更新になった。年初来では10.97%上昇している。株高の理由は、コロナワクチンの開発によって来年以降の景気回復を先取りする動きだといわれている。ただ、米国のコロナ新規感染者数は1日当たり19万人に迫る過去最悪の水準となり、同じく感染拡大を迎えた欧州では飲食店の閉店や夜間の外出禁止など緩やかなロックダウンを実施している。この感染状況が再び経済の足を引っ張ることは明らかだ。このような不安定な経済を背景とした株高であるだけに、株式での運用には常に起こり得るショックへの備えが怠れない。そのようなショックに備える運用方法として、「BNYメロン・日本中小型株式ダイナミック戦略ファンド『愛称:風神雷神』」が一つのヒントになる。

 「風神雷神」は、日本の中小型株式に選別投資するポートフォリオを作って主たる投資対象としながら、株式先物を活用して実質的な株式の組み入れ比率を柔軟に調整する運用を行っている。実質的な組み入れ比率は、国内株式の上昇期待が非常に強い時には、先物の買い建ても加えて実質150%の投資比率とする。反対に、株式市場に下落圧力が強い局面では、実質的にマイナス50%の投資比率として、株価が下落する局面でファンドとしてはプラスの投資成果が得られるようにもできる。

 実際に同ファンドの月報から、実質的な組み入れ比率の変更についての解説を読むと、前月(10月)は、1日に実質株式投資比率をマイナス50%でスタートし、5日に株式投資比率を0%に引き上げ、12日に100%にまで引き上げて、15日まで100%を維持した。この間、株式の実質投資比率を0%していた時に参考指数であるラッセル野村小型株指数(配当込み)と東証株価指数(TOPIX)が上昇したため、組み入れ比率の変更による運用成績はマイナスに影響した。ただ、16日に株式投資比率をマイナス50%に引き下げて月末までマイナス50%を維持したところ、株価が下落したことから、この投資比率変更のポジションは、ファンドの運用成績にプラスに寄与した。10月1カ月間のラッセル野村小型株指数(配当込み)のトータルリターンはマイナス3.78%だったが、当ファンドの基準価額は0.17%のプラスリターンになった。

 同ファンドで、実質的な株式組み入れ比率の判断に使っている日興グローバルラップが開発した「RAI(Risk Appetite Index)」は、投資家のリスク選好度合いを測るために、VIX指数(恐怖指数)やハイイールド債の動きなど様々な金融データを組み合わせて算出する指数。日本株式は外国人投資家が売買の過半数を占めるため、世界の金融データで予測するグローバルな投資家動向が有効と考えられる。

 実際に同ファンドの運用成績は、2017年7月14日の設定で約3年間の運用実績があるが、10月末現在で過去3年間のファンドの基準価額騰落率(課税前分配金再投資)は19.96%で、この間のラッセル野村小型株指数(配当込み)はマイナス9.80%。過去1年間ではファンドが27.72%で、ラッセル野村小型株指数(配当込み)はマイナス4.54%になっている。モーニングスターのカテゴリーでは、「バランス」に分類されるが、そのカテゴリー内の比較で、トータルリターンの過去3年間では230本中で第3位、過去1年間では287本中で第1位の成績になっている。非常に高い運用成績をキープできている。モーニングスターレーティングは、7月の付与開始以来、最高位の5ツ★を継続している。

 国内の株式市場も11月12日の2万5520円と1991年6月以来29年5カ月ぶりの高値水準に値上がり。16日には、一段高となり2万5906円まで値上がりした。バブルの最高値3万8915円までは、まだ大きな隔たりがあるとはいえ、すでに30年くらい前の高値まで上昇してきている。3月末の1万8917円と比較しても約37%上昇した。短期間に大きく上昇したところだ。ここから、さらに一段高が見込まれるにしても、高値波乱のリスクも高まっているといえるだろう。

 このような高値圏に来た株価に対して、ファンドが売り買いのタイミングを測って、できるだけ高いパフォーマンスを維持するように動く「風神雷神」のようなファンドは、過去の運用実績も伴っているファンドとして、その投資判断に一定の信頼を置くこともできるだろう。株価が高値水準に来たこれから、投資をスタートしようと考える方にも一考いただけるファンドではないだろうか。
提供:モーニングスター社
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