あおぞら投信の「ぜんぞうシリーズ」が販売累計1000億円突破、銀行預金者の投資の第一歩として定着

 あおぞら投信が設定・運用している「あおぞら・新グローバル分散ファンド(限定追加型)<愛称:ぜんぞう>」のシリーズ(21本)累計販売額が2020年12月30日に1000億円を突破した。2014年8月に第1号を設定して以来、銀行の預金者が価格変動商品に馴染むための第一歩になる商品と位置付け、その商品性を訴え続けてきた。現在では、グループであるあおぞら銀行以外にも地域金融機関、証券会社など合計34社で販売するまでに販社も広がって、1本あたりの設定額も増額してきた。2021年1月29日に設定するシリーズ22本目の「あおぞら・新グローバル分散ファンド(限定追加型)2021−01」は9社で募集している。

 ぜんぞうシリーズは、日本を含む世界の株式および債券に広く分散投資を行う。株式については組入比率を、当初5%から毎月5%ずつ段階的に引き上げ、1年後に株式60%、債券40%のポートフォリオをつくる。そして、概ね5年間の運用期間の間に基準価額が1万1500円に達した際には安定的な債券運用に切り替える。この設計により、(1)投資対象の分散、(2)投資時期の時間分散、(3)目標リターンを明確にした中長期投資――をめざすことができる特徴的な商品だ。

 具体的には、設定日から1年後に到達するポートフォリオでは、先進国株式に投資する「ディメンショナル・ファンズ・ピーエルシー グローバル・コア・エクイティ・ファンド」が50%、新興国株式に投資する「ディメンショナル・ファンズ・ピーエルシー エマージング・マーケット・バリュー・ファンド」が10%となり、新興国を含む世界の株式約1万200銘柄に幅広く分散投資する株式ポートフォリオになる。ポートフォリオの40%を占める債券部分は、高格付け(AA以上)の先進国債券に投資する「ディメンショナル・ファンズ・ピーエルシー グローバル・ショート・フィクスト・インカム・ファンド」に投資する。債券部分は為替ヘッジを行い安定的な収益をめざす。

 ぜんぞうシリーズは、第1号ファンドを含む6ファンドが既に償還しているが、償還時の基準価額は平均で1万1233円だった。目標である基準価額が1万1500円に到達した時点で債券100%の安定運用のポートフォリオに切り替えるが、必ずしも1万1500円で償還されるものではない。ただ、1万円割れで償還したファンドは1本もない(最低の償還価額は1万960円だった)。また、現在運用中の15本のファンドも2021年1月19日現在で運用期間が1年以上のファンド11本のうち10本は基準価額が1万1000円を超えている(1本が1万775円)。この目標基準価額である1万1500円の水準に近い成績を残し続けていることが、シリーズの運用に対する信頼感となり、取り扱い販社の拡大、また、1本あたりの設定金額の拡大につながっている。

 同シリーズは、銀行を母体とした運用会社であるあおぞら投信が、銀行預金者が投資の第一歩を踏み出すためにどのような商品が適しているのかということを突き詰めて考えた結果として開発された商品だ。募集期間は設定日前日までの約1カ月間と、設定後約2カ月間のみの限定追加型としているが、払い込まれた投資資金は、ファンドの内部でリスク資産の積立投資を行って時間分散の効果を取り入れている。また、具体的な投資対象であるディメンショナル社のファンドは、広く分散投資しているものの、企業規模や相対価格、収益力などの項目で長期的に高いリターンが期待できる特性に応じて銘柄を選び、かつ、組入比率も調整して長期的・安定的に市場インデックスを上回る成果をめざしている。この運用の仕組みがあって安定的に優れた運用実績につながり、1000億円以上の販売にもつながったといえる。
提供:モーニングスター社
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