PCAアセットが国内初の南ア債券を中心に投資する「PCA南アフリカ債券ファンド(毎月決算型)」を設定

 PCAアセットマネジメントは3月30日、国内初の南アフリカの債券におもに投資するファンド「PCA南アフリカ債券ファンド(毎月決算型)(愛称=虹の国)」の設定・運用を開始する。これまで、直接南アの債券に投資してきた投資家も多いと思われるが、南ア・ランド債におもに投資する「ファンド」は国内初となる。販売会社は中国銀行。毎月20日決算(第1期決算日は5月20日)。

 「PCA南アフリカ債券ファンド」は、マザーファンドの受益証券への投資を通じて、主に南アフリカ共和国の政府、政府機関、企業や国際機関などが発行する南アフリカ・ランド建ての債券へ投資する。南アフリカの国債はS&P(スタンダード・アンド・プアーズ)ではAプラス(長期現地通貨建て負債の格付け)、ムーディーズではAマイナス(同)と、ブラジルのBBBプラス(S&P、ムーディーズはBBBマイナス)、インドのBBBマイナス(同、ムーディーズはBB)と比較しても高いが(ただし、S&Pの格付け見通しはネガティブ、ムーディーズは安定的)、同ファンドは南アフリカ・ランド建て債券のなかでも特にA格以上の格付けの債券に絞った投資を行い、より安全性に配慮したポートフォリオの構築を目指す。

 運用を担当するPCAアセットは英国プルーデンシャル社を中核としてグローバル展開する金融サービスグループの一員。同グループは1993年に南アフリカに資産運用会社を設立したが、グローバルに展開する企業のなかでも南アに運用拠点を持つ金融グループは珍しいという。株式・債券と幅広い投資対象のファンドを展開しており、債券に投資するファンドについてはトラックレコードの長いファンドを運用している(ただし、同ファンドのマザーファンドは今回新設となる)。また、社債などより幅広く投資するファンドも取り扱うなど、豊富な運用リソースを備えている。今回、ファンドを通じた南ア・ランド建て債券への投資を行うことで、償還を気にせず、比較的長期での南ア債券への投資が可能となる仕組みとなる。加えて、PCAアセットが現地のグループ運用会社(PPMSA)に運用指図権限の一部を委託しており、日本ではあまり手に入りにくい南ア現地の情報もより積極的に開示していく方針だ。

 同ファンドの投資対象国の南アフリカ共和国は、金やダイヤモンドなどの豊富な資源を有し、さらに需要が急増しているレアメタルも産出する資源国であり、アフリカ最大の経済大国。直近の経済環境をみると、08年の実質GDP(国内総生産)成長率は3.1%のプラスだったが、金融市場の混乱を受け、09年にはマイナス2.2%に転落した。

 ただ、IMF(国際通貨基金)の予想では、10年には1.7%の成長見通し。四半期ベースでの実質GDP成長率の推移をみても、09年第1四半期には大きなマイナスとなったものの、09年第4四半期はプラス3.2%(年率)となっており、経済成長路線への復帰がみえてきている。また、新興国共通の懸念材料であるインフレについても、エコノミストによるコンセンサスでは、南アのCPI(消費者物価指数)は10年、11年と低下見通しとなっている。

 また、10年にはサッカー・ワールドカップというビッグイベントを控え、南アフリカへの関心が高まっている。経済面でもワールドカップにより、南アフリカの10年のGDPが観光のみを考慮しても少なくとも、0.5%押し上げられるとの予想が出ているという。

一方、南アフリカの債券市場は拡大中であり、09年6月末時点の債券の発行残高は約14兆円に上る。特に中央政府が発行する債券が半分近くを占めているが、国営企業や金融などの企業も債券の発行を行っている。同ファンドのモデルポートフォリオ(実際の組み入れと異なる可能性がある)では、国債が60%以上を占めるが、政府保証債が13%超、国営企業の発行する債券は19.3%と、南アフリカ債券市場全体の動きを示す指数(BEA SSA ALL INDEX BOND)と比較して、政府の発行する債券は少なく、一方で政府保証債や国営企業の発行する債券の組み入れは比較的多目となっている。また、モデルポートフォリオのデュレーションは6年程度と、同指数と同程度での運用を目指す方針。

主な購入費用など
申込手数料(上限、税込み):3.675%
信託報酬率:1.6995%
信託財産留保額:0.3%
提供:モーニングスター社
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