米新大統領の誕生を投資機会と考える人は要注意=米モーニングスター

 米国の新大統領の誕生を投資機会と考えている人は注意が必要だ。テレビではコメンテーターがどの株やファンド、商品を買うべきかアドバイスしているが、政治的な考えだけで投資することは勧められない。
 政治的な主張だけに目を付けて投資をするのがいかに合理的でないかを示す例はいくつもある。92年にビル・クリントン氏が米大統領に当選したときは、環境問題に関心の高いアル・ゴア氏が副大統領となったため、環境関連株が脚光を浴びたほか、数多くの環境関連ファンドが設定された。
 しかし、環境関連の法案を通すことは新政権の最初の仕事ではなく、2番目や3番目に優先したものでもなかった。確かに、クリントン政権は環境に関わる一連の政策を展開したが、企業の業績にどのような影響を与えたかはっきりせず、環境ファンドは代替エネルギーや廃棄物処理会社などの株式を買う程度にとどまった。これらのファンドの投資成績は悲惨な結果となり、その多くが統合したり清算されたりした。
 フランスでは07年5月にニコラ・サルコジ氏が大統領に選出された際、ビジネス界に理解のある人物として期待を集めたが、株式市場でのその後のパフォーマンスは期待を反映したものとはならなかった。フランスの株価指数に連動するETF(上場投資信託)の「アイシェアーズ・MSCI・フランス・インデックス」(EWQ)は07年6月1日から08年1月末までの下落率が約12%と、ドイツの株価指数連動型ETFの「アイシェアーズ・MSCI・ジャーマニー・インデックス」(EWG)に比べて8%も下げ幅が大きかった。
 ファンドを選ぶ際には有名なファンドマネージャーが運営する低コストの商品か、適切なインデックスファンドを候補とすべきであり、政治的な考えを持ち込むのは家庭の食卓か投票所だけにした方がよい。(2008年11月4日付コラムを抄訳)


提供:モーニングスター社
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