米モーニングスターコラム=ETFを駆使したペアトレードに注目、英BP株と組み合わせるなら?

 今では多種多様なETF(上場投資信託)を投資家が利用可能となり、株式とETFを組み合わせた「ペアトレード」で投資アイデアを実現できるようになった。ペアトレードでは、同じセクターに属することなどを理由に似た値動きをするものの、何らかの要因で値動きがカイ離する可能性がある2つの銘柄を対象とする。片方の銘柄を買い持ちして、もう一方の銘柄をカラ売りする戦略だ。例えば、アップルのタブレットPC「iPad(アイパッド)」がアマゾン・ドット・コムの電子書籍リーダー「キンドル」から市場シェアを奪うと予想すれば、アップルの株式を買う一方でアマゾンの株式をカラ売りすればよい。

 ペアトレードは損失リスクの軽減にも役立つ。アップルのスマートフォン(多機能携帯電話)「iPhone(アイフォーン)」がRIM(リサーチ・イン・モーション)のスマートフォン「ブラックベリー」から市場シェアを奪取すると見込んで、08年6月にアップルの株式を購入してRIMの株式をカラ売りしたとする。08年6月から09年6月までの1年間のパフォーマンスをみると、米国株式全体が下落基調にあったため、アップルの株価は約20%下落した。しかし、RIMの株価は同期間に約40%も下落しており、同社株のカラ売りでは高リターンを得られたことになる。

 個別株とETFを用いたペアトレードの例として、メキシコ湾で原油流出事故を起こした英石油大手BPを取り上げてみよう。マーケットが織り込んでいる以上の責任を同社が問われ、会社の評判にさらに悪影響が及ぶリスクがあると想定したとする。この場合、投資家はBPの株価が一段と下落するシナリオを描いている。一方、原油価格が今後上昇してBPの株価が押し上げられるリスクも警戒する必要があるだろう。このような場合には、BPの株式の売りポジションを構築するとともに、石油関連ETFの買いポジションを持つ戦略が有効と考えられる。

 石油関連ETFとしては、S&P500の石油関連株を組み入れ銘柄とする「エネルギー・セレクト・セクター・SPDR(XLE)」やWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)原油先物価格に連動する「ユナイテッド・ステーツ・オイル(USO)」などがある。(9日付コラムを抄訳)
提供:モーニングスター社
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