米投信会社で相次ぐリストラ、ファンド保有者はどう対応すべきか=米モーニングスター
ここ数週間で多くの投信運用会社が人員削減に踏み切っている。アリエルがリストラを発表したのに続き、フィデリティが3000人の従業員を削減すると報じられたほか、ブラックロックも人員整理を行った。
これらの投信会社のファンドを保有していた場合、投資家はどのように考えればよいのだろうか。人員削減のニュースを聞いて、焦ってその投信会社のファンドを売るようなことは避けなければならない。まず、その会社の規模を考慮する必要がある。フィデリティのような大手金融会社の場合、個人投資家向けのファンド運用に関わる部門は会社全体の一部にしか過ぎず、リストラはファンド運用以外の部門から行われるのが通常だ。そのため、投信のパフォーマンスに即座に影響が及ぶことは考えにくい。
投信会社によってはファンドマネージャーが人員削減の対象となる可能性もあるが、その際にも投資家には冷静な対応が求められる。解雇の理由はマーケット環境の悪化よりも、そもそも能力が低かったという場合もある。また、会社の運用方針の転換が行われている場合もある。12人のファンドマネージャーを解雇したパトナムがその良い例だろう。これはパトナムに新しいCEO(最高経営責任者)として就任したロバート・レイノルズ氏がファンドの運用体制を再構築するための措置だった。前任のCEOは、定量分析とファンダメンタルズ分析を担当する運用マネージャーをペアにし、さらに運用チームの規模を拡大する傾向があったが、パトナムのCEOとなったレイノルズ氏は従来のこうした運用方針を改め、以前勤めていたフィデリティの運用スタイルを採用した。
このように、人員削減といっても様々なタイプがある。実際には、投資家を含む外部の人間には人員削減の対象やその理由が分かりにくいケースが多いが、同様の傾向が続くかどうか注意を払うべきだ。長い目で見れば、どの投信会社の収入低下が続いており、長期的な視野を失って短期的な利益を優先しているかが明らかになるだろう。(2008年11月25日付コラムを抄訳)
提供:モーニングスター社
これらの投信会社のファンドを保有していた場合、投資家はどのように考えればよいのだろうか。人員削減のニュースを聞いて、焦ってその投信会社のファンドを売るようなことは避けなければならない。まず、その会社の規模を考慮する必要がある。フィデリティのような大手金融会社の場合、個人投資家向けのファンド運用に関わる部門は会社全体の一部にしか過ぎず、リストラはファンド運用以外の部門から行われるのが通常だ。そのため、投信のパフォーマンスに即座に影響が及ぶことは考えにくい。
投信会社によってはファンドマネージャーが人員削減の対象となる可能性もあるが、その際にも投資家には冷静な対応が求められる。解雇の理由はマーケット環境の悪化よりも、そもそも能力が低かったという場合もある。また、会社の運用方針の転換が行われている場合もある。12人のファンドマネージャーを解雇したパトナムがその良い例だろう。これはパトナムに新しいCEO(最高経営責任者)として就任したロバート・レイノルズ氏がファンドの運用体制を再構築するための措置だった。前任のCEOは、定量分析とファンダメンタルズ分析を担当する運用マネージャーをペアにし、さらに運用チームの規模を拡大する傾向があったが、パトナムのCEOとなったレイノルズ氏は従来のこうした運用方針を改め、以前勤めていたフィデリティの運用スタイルを採用した。
このように、人員削減といっても様々なタイプがある。実際には、投資家を含む外部の人間には人員削減の対象やその理由が分かりにくいケースが多いが、同様の傾向が続くかどうか注意を払うべきだ。長い目で見れば、どの投信会社の収入低下が続いており、長期的な視野を失って短期的な利益を優先しているかが明らかになるだろう。(2008年11月25日付コラムを抄訳)
提供:モーニングスター社