GMとフォードの保有比率が高いファンドの特徴は「逆張り型」=米モーニングスター

 米自動車大手の経営不安が高まる中、米モーニングスターではGM(ゼネラル・モーターズ)とフォードの株式を最も多く組み入れている10本のファンドについて調査を行った(一部ファンドを除き、9月30日時点でのポートフォリオに基づく)。
 保有比率が最も高かったのは「フィデリティ・セレクト・オートモーティブ(FSAVX)」というファンドで、GMとフォードの株式が全体の12.85%を占めている。同ファンドは保有するほとんどの銘柄が低迷する自動車メーカーとその関連株となっている。同ファンドは8月の時点で中型・バリュー株投資の分野において投資成績が最も低い水準に近かったが、11月後半でも状況は変わっておらず、年初来のリターンは66%のマイナスと大きく低迷している。
 残りの9本のファンドは複数の業種に分散投資しているが、FSAVXと同じく苦戦を強いられている。ただ、GMとフォードの株式を合わせた保有比率は2%〜5%にとどまっており、両社の株を保有していることはパフォーマンス低下の一要因でしかない。
 これら9本のファンドの特徴の一つとして挙げられるのが、相場が下がったときに株を買う「逆張り型」の投資スタイルだ。株価が下げ止まらない局面での逆張り投資が裏目に出たとみられる。GMとフォードの株式を合わせた保有比率が4.05%の「コロンビア・グローバル・バリュー(NGLBX)」や、2.08%の「タッチストーン・ラージ・キャップ・バリュー(TLCAX)」は保有銘柄の上位にシティグループの名前がある。また、GMとフォード株の保有比率が5.46%の「CGM・フォーカス(CGMFX)」や2.29%の「ホッジス(HDPMX)」というファンドのように、商品価格の急落で08年後半に下げ幅を拡大したエネルギーや素材株を組み入れているものもある。
 世界の金融システムが安定化し、米国経済が回復の兆しを見せ始めれば、逆張り型の投資も成功すると思われる。ただし、かなりの時間を要するとみられ、それまでにGMとフォードが存続している保証はない。(2008年11月28日付コラムを抄訳)


提供:モーニングスター社
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