J−REITに投資するファンドが上位に―2010年の年間トータルリターン

 モーニングスターはこのほど、2010年の投信市場の概況をまとめた。2010年12月末までの類似ファンド分類ごとの過去1年間のトータルリターンの平均をみると、主要な類似ファンド分類では、「東証リート指数連動型」(17本)の過去1年間のトータルリターンの平均が32.57%、「国内REIT」(38本)の平均が31.44%と、国内REITに投資するファンドの上昇が目立った。

 日銀が10月5日にREIT(不動産投資信託)などの金融資産の買い入れを含めた5兆円規模の基金の創設を検討すると発表したことなどから、国内REIT全般が2010年後半に大きく上昇したことが影響した。また、為替ヘッジ付きではあるものの、「国際REIT・北米(為替ヘッジあり)」(10本)などの上昇が目立つなど、グローバルでREITの投資環境が良好だったとみられる。また、全般的に海外資産に投資し為替ヘッジを行うファンドが好調だった。

 このほか、主要な類似ファンド分類ごとにみると、株式に投資するファンドでは「国際株式・エマージング・複数国(為替ヘッジなし)」(140本)の平均が4.51%、「国際株式・グローバル・除く日本(為替ヘッジなし)」(79本)の平均は2.02%となったものの、「国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし)」(139本)の平均はマイナス2.57%となった。

 エマージング株式に投資するファンドの上昇が目立ったものの、エマージングの単一国に投資するファンドでは、「国際株式・インド(為替ヘッジなし)」(30本)が3.37%、「国際株式・ロシア(為替ヘッジなし)」(8本)が13.34%となる一方、「国際株式・ブラジル(為替ヘッジなし)」(23本)の平均はマイナス6.41%、「国際株式・中国(為替ヘッジなし)」(65本)」の平均はマイナス7.27%と明暗が分かれた。

 国内株式に投資するファンドでは「国内大型ブレンド」(315本)の平均が0.74%となるなど全般的に堅調だったが、「国内中型グロース」、「国内大型グロース」などの平均はマイナスとなった。

 債券に投資するファンドでは、「国際債券・ハイイールド債(為替ヘッジなし)」(101本)の平均が4.93%、「国際債券・エマージング・複数国(為替ヘッジなし)」(137本)の平均が2.35%となったが、「国際債券・グローバル・除く日本(為替ヘッジなし)」(119本)がマイナス6.45%、「国際債券・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし)」(77本)がマイナス3.39%となった。グローバルの債券を中心に投資するファンドのパフォーマンスが劣後した。また、国内債券に投資するファンドでは、「国内債券・中長期債」(56本)は2.15%となった。

 複数の資産に投資するファンドでは、「安定成長」(235本)の平均がマイナス1.41%、「安定」(73本)がマイナス0.97%といずれもマイナスとなったが、「成長」(25本)の平均は1.43%となった。
提供:モーニングスター社
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