ファンドはキャッシュを持つべきか否か=米モーニングスター
下落相場で堅調なパフォーマンスを達成している多くのファンドに共通している1つの要因がある。それはキャッシュ(現金)の保有比率の高さだ。「ファースト・イーグル・オーバーシーズ(SGOVX)」は08年の国際株式型ファンドのうち最も損失が軽微だったファンドの1つだが、資産全体に占めるキャッシュの割合は2ケタに達していた。
国内(米国)株式ファンドでも08年の成績上位には多くのキャッシュを持っているファンドがランクインしている。当然ながら、キャッシュを残さず完全に投資し、高いパフォーマンスを達成しているファンドもあるが、厳しい相場環境の中でキャッシュ保有により損失が軽減されたファンドが存在したのは確かだ。
ただ、実際には多くのファンドマネジャーがポートフォリオを構成する上でキャッシュ保有を運用会社から許可されていなかったり、またはキャッシュを限りなく少なくするよう命じられている。また、そもそもファンドマネジャーの仕事は投資であり、キャッシュをどの程度持つかは個人投資家が判断すべきだという考えもある。リスク資産に投資をしないのであれば、個人投資家はその分をMMF(マネー・マーケット・ファンド)や国債といった安全資産で自ら運用できるからだ。
キャッシュ保有の割合についてファンドマネジャーに自由を与えるべきか否かは意見の分かれるところだろう。しかし、1つだけ忘れてはならないのは将来のある時点で相場が上昇に転じるということだ。そのときはキャッシュ保有が高いリターンを得るための足かせになる可能性がある。(3日付コラムを抄訳)
提供:モーニングスター社
国内(米国)株式ファンドでも08年の成績上位には多くのキャッシュを持っているファンドがランクインしている。当然ながら、キャッシュを残さず完全に投資し、高いパフォーマンスを達成しているファンドもあるが、厳しい相場環境の中でキャッシュ保有により損失が軽減されたファンドが存在したのは確かだ。
ただ、実際には多くのファンドマネジャーがポートフォリオを構成する上でキャッシュ保有を運用会社から許可されていなかったり、またはキャッシュを限りなく少なくするよう命じられている。また、そもそもファンドマネジャーの仕事は投資であり、キャッシュをどの程度持つかは個人投資家が判断すべきだという考えもある。リスク資産に投資をしないのであれば、個人投資家はその分をMMF(マネー・マーケット・ファンド)や国債といった安全資産で自ら運用できるからだ。
キャッシュ保有の割合についてファンドマネジャーに自由を与えるべきか否かは意見の分かれるところだろう。しかし、1つだけ忘れてはならないのは将来のある時点で相場が上昇に転じるということだ。そのときはキャッシュ保有が高いリターンを得るための足かせになる可能性がある。(3日付コラムを抄訳)
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