10月の株式投信は4カ月ぶりに純資産額増加、資金は6カ月ぶりに純流出―10月の投信概況

 投資信託協会は11月14日、10月の投信概況を発表した。10月の株式投信の資金増減(設定から解約・償還を差し引いた増減)は977億円の純減となり、6カ月ぶりに純流出となった。一方、運用は6カ月ぶりに改善した。純資産総額は4カ月ぶりにプラスとなり、前月から2兆6430億円増加して49兆9852億円となった。

 10月は欧州財政問題に対する懸念が若干和らぎ世界全体で株式が上昇傾向を示したことや、外国為替市場で月末時点では円が対ドル、対ユーロで円安となったことなどが背景となり、株式投信の運用が2兆7407億円の増加と大きく改善した。ただ、投信協会では「あくまで小康状態との印象もぬぐえず、今後の市況環境の動向を注視する必要がある」(乾文男・投信協会副会長)と慎重な見方を崩していない。

 純資金がマイナスに落ち込んだのは震災後の2011年4月以来で、これを大災害による例外と考えた場合、2009年4月以来のこととなる。低調な運用状況が続いたことなどから、9月時点でも資金流入額は大きく伸び悩んでいた。投信協会では利益確定というよりも、新規購入が落ち込み設定額が前月から3541億円減少したことが要因とみている。

 株式投信の商品分類別の資金増減では、バランス型などが減少した。一方、ETF(上場投資信託)を含むインデックス型などは増加している。また、ファンドオブファンズも261億円の増加とプラスを維持し34カ月連続の増加となったが、9月の1463億円からさらに増額幅を縮小させた格好だ。運用面ではファンドオブファンズやバランス型、国際株式型など全般的に堅調だった。ちなみに、オリンパス<7733.T>(監理)をめぐる一連の問題については、投信協会では国内の投資信託に与える影響は軽微との見方だ。

 なお、公社債投信を含む総合計では、資金は2カ月ぶりに流入超過となり、運用は6カ月ぶりに改善し、純資産額も6カ月ぶりに増加。前月から2兆8287億円増加し60兆7169億円となり、60兆円の大台を回復した。
提供:モーニングスター社
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