DWSの投資適格社債の運用責任者、欧州財政不安がくすぶるなかでの債券投資戦略を語る

 ドイチェ・アセット・マネジメント(以下、ドイチェAM)は17日、同グループの独投資信託会社DWSで投資適格社債運用チームの責任者を務めるマーカス・ウィードマン氏を招き、不透明感が強まる欧州財政問題の見通しや今後の債券投資戦略について語った。

 ウィードマン氏は、現在の欧州財政問題の背景には、欧州圏での域内格差の拡大と過剰な流動性があると説明した。欧州首脳会議での対応策への合意などを通して最悪のシナリオは回避された格好だが、先行きには依然不透明感が残るとした。今後ECB(欧州中銀)による膨大な資金供給が必要で、ドイツが反対し現状では法的な制約もあるものの、ECBによる国債の直接購入なども視野に入れる必要があるという。また、ユーロ圏の政策金利は2011年11月に利下げし現在は1.25%だが、2012年1月までにはこれが1%に引き下げられる可能性があるとしている。ドイツのユーロ圏離脱のシナリオについては、国民感情などから読み切れない部分はあるが、経済的・政治的な面から現実的とは言えず、ドイツとフランスが歩調を合わせて問題に対処していくだろうとした。

 このほか、ウィードマン氏は世界経済の行方についても言及し、世界全体としては「景気後退リスクは低いが、回復は緩やか」との見方を示している。米国はかろうじて成長基調となるものの成長ペースは緩慢で、新興国ではBRICs諸国を中心に底堅いがスローダウンは避けられないという。

 ウィードマン氏は以上のことを踏まえ、経済全体に先行き不透明感が残り、マーケットの変動性も高く、低成長期にある環境下では、相対的に安定性の高い投資適格債券への投資妙味が高まると指摘した。実質マイナス金利下では投資家は金利収入を選好しやすく、経済成長が緩やかななかでは、ファンダメンタルズが堅調で強力なキャッシュフローがある企業に注目が集まる。また、投資適格債券は債券の中でも国債とハイイールド債の間の、中程度のリスクリターンであることも魅力だという。欧州財政問題や金融機関への懸念などから過度に売り込まれ、社債は割安な水準にあると指摘。特に、電力・ガス・水道といった公益セクターの企業は、高い競争力による安定した収益構造や健全な財務内容によりディフェンシブ性が高く、社債の中でも安定性が高いと強調した。

 ドイチェ・アセット・マネジメントでは、公益債券ファンドの「DWSグローバル公益債券F(毎月)Aコース」<2009043002>、「DWSグローバル公益債券F(毎月)Bコース」<2009043003>を2009年4月に設定し、運用している。両ファンドとも、相場の変動が大きかった2011年10月末までの過去6カ月間のトータルリターンは、カテゴリー平均をそれぞれ上回る成績となっている。月次の資金純流入では、特に為替ヘッジのある「DWSグローバル公益債券F(毎月)Aコース」への流入超過が目立っている。
提供:モーニングスター社
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