6月の株式投信は3カ月連続の純資金流入、運用も4カ月ぶりに改善―6月の投信概況

 投資信託協会は7月12日、6月の投信概況を発表した。6月の単位型を含む株式投信の資金増減(設定から解約・償還を差し引いた増減)は4192億円増加し、3カ月連続の純資金流入となった。また、運用も4カ月ぶりに改善し、7712億円増加した。この結果、純資産総額も4カ月ぶりの増加に転じ、前月比1兆1904億円増の47兆8613億円となった。純資金流出入額、運用益がともにプラスとなるのは2011年3月以来のこと。

 6月は、米国など世界景気の減速に対する警戒感が一段と強まったほか、スペインの銀行問題など懸念材料もあったものの、ギリシャ再選挙での緊縮派が過半数を確保したことや、EU(欧州連合)会議で域内銀行への直接支援などが合意に至ったことが市場環境の支えとなった。外国為替市場で円安基調となったことも、外貨建て資産に投資する多くのファンドの運用には追い風だった。

 ここ数カ月間の純資金流入の継続傾向について、投信協会では投資家心理に左右される側面が大きく、欧州問題も解決には至っていないため、先行き透明感は残ると指摘。ただ、「2011年10月から2012年3月までの6カ月連続の資金純減は、窓販解禁から純資金流入傾向が続いた流れからはやや例外的」(投信協会・乾文男副会長)とみており、市場環境の改善に合わせて本来の基調に戻ることに期待したいとしている。

 追加型株式投信の商品分類別の資金増減では、ETF(上場投資信託)を中心としたインデックス型や、ファンドオブファンズが資金を集めた。投信協会ではETFの増加について、日銀の資産買い入れによる需給引き締まりなどを見込み、金融機関による設定が増した可能性があるとしている。一方、バランス型や、国際株式型などが資金純流出となった。運用はすべての商品分類でプラスとなっている。

 なお、公社債投信を含む総合計では、資金が4カ月連続で増加し、運用は4カ月ぶりにプラスとなった。純資産総額は4カ月ぶりに増加し、前月比1兆350億円増の58兆3573億円だった。総合計で純資金流出入額、運用益がともにプラスとなったのは、2012年1月以来となる。
提供:モーニングスター社
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