8月の株式投信は5カ月連続の純資金流入も、純資産総額は3カ月ぶりマイナス―8月の投信概況

 投資信託協会は9月13日、8月の投信概況を発表した。8月の単位型を含む株式投信の資金増減(設定から解約・償還を差し引いた増減)は269億円増加し、5カ月連続の増加となった。一方、運用減は1421億円と、3カ月ぶりにマイナスに転じた。この結果、純資産総額も3カ月ぶりに減少し、前月末比1153億円減の48兆117億円となった。

 純資金流入額はプラスを維持したものの、7月実績の956億円からさらに増加額が減少し、縮小傾向が続いている。投信協会では3−5月の運用悪化など、運用成績の伸び悩みが投資家心理に影響を及ぼした可能性があるとして、今後の推移を注視する必要があると指摘した。

 8月は、7月の米雇用統計が市場予想を上回ったことや、欧州債務問題に対する過度な懸念の後退などを背景に、NYダウ工業株30種平均は前月末比0.63%上昇した。また、外国為替市場では特に対ユーロで円安基調となった。投資環境が比較的底堅かった中で同月の運用益がマイナスとなったことについて、投信協会では「運用益の押し下げ要因となる毎月4000億円程度の分配金の影響を考慮しない場合、実質的にプラスになる」(乾文男・投信協会副会長)としている。

 追加型株式投信の商品分類別の資金増減では、ETF(上場投資信託)やファンド・オブ・ファンズがプラスとなったものの、国際株式型や、債券を含むバランス型、国内株式型など全般的にマイナスとなった。運用ではETFを含むインデックス型、国際株式型がプラスとなった一方、ファンド・オブ・ファンズ、バランス型、国内株式型などがマイナスとなった。公社債投信を含む総合計では、資金が6カ月連続で純増。運用は3カ月ぶりにマイナスとなったものの純資産総額は3カ月連続で増加し、前月末比14億円増の58兆5785億円だった。

 モーニングスターによる純資金流出入額の推計では、「国際債券・ハイイールド債(為替ヘッジあり)」、「国際債券・エマージング・複数国(為替ヘッジあり)」などが純資金流入となった一方、「国際株式・グローバル・含む日本(為替ヘッジなし)」、「安定成長」などのカテゴリーの純資金流出が目立った。
提供:モーニングスター社
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