米ブラックロック、日本初の「フロンティア市場」ETF投入

 新興国の中でもまだ経済規模が小さく今後急速な成長が見込まれる「フロンティア市場」に投資するETF(上場投資信託)が15日から国内証券会社で購入可能になった。

 今回、外国籍ETFとして取り扱いが開始されたのは米資産運用大手ブラックロック・グループが展開するETFブランド「iシェアーズ」の米国上場ETF「iシェアーズMSCIフロンティア100インデックス・ファンド(FM)」。成長期待が高いポストBRICs(ブラジル・ロシア・インド・中国)の新興国が注目されるなか、同ETFはこうした国々への分散投資を実現する投資手段となる。

 ブラックロックはフロンティア市場について「世界の株式市場の時価総額では1%未満だが、世界のGDP(国内総生産)では約4−6%と存在感は決して小さくない」としており、重要性が増している点を強調。フロンティア市場は若い人口構成や豊富な資源が魅力とされ、同ETFの直近の国別組み入れ比率上位はクウェートが31.04%、カタールが15.40%、UAE(アラブ首長国連邦)が12%と中東諸国の存在感が大きい。アフリカで成長著しいナイジェリアにも11.94%投資している。

 一般的に投資家がアクセスしにくい新興国を対象とするファンドは、調査費用がかさむことなどから手数料の高さがネックとなるが、同ETFのエクスペンス・レシオ(日本の信託報酬にほぼ相当するもの)は0.79%と低く抑えられており、安いコストで投資できる点も特徴だ。

 また、ブラックロックはフロンティア市場ETFの他にも、エマージング市場の小型株指数に連動する「iシェアーズMSCIエマージング・マーケット小型株インデックス・ファンド(EEMS)」、現地通貨建てエマージング国債指数に連動する「iシェアーズ現地通貨建てエマージング・マーケット債券ファンド(LEMB)」の届出を金融庁に行い、15日からSBI証券などネット証券で購入可能となっている。

 新興国の小型株ETFも日本初の商品で、ブラックロックでは「新興国株式市場では、経済の成長をけん引してきた大型株に加え、内需拡大では中小型株の貢献も見られ、こうした小型株はここ10年の新興国株式市場の中でも大型株を上回るパフォーマンスを示している」と指摘する。
提供:モーニングスター社
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