1月の株式投信は、純資産額がリーマン・ショック前の2008年8月来の水準に――1月の投信概況

 投資信託協会は2月14日、1月の投信概況を発表した。1月の単位型を含む株式投信の資金増減(設定から解約・償還を差し引いた増減)は1152億円の減少となり、3カ月連続の減少だった。一方、運用は3兆4186億円の大幅増となり、純資産額は前月比3兆3034億円増の56兆2174億円と、リーマン・ショック前の2008年8月以来の水準となる。

 同月の設定額は3兆2407億円と2007年7月以来の高水準だったものの、解約額も3兆2845億円と過去最高額を記録した。資金増減がマイナスとなった背景には、「(月中に)国内株式を主要投資対象とする単位型ファンド1本が繰り上げ償還し、同ファンドの月中の解約額、償還額の合計だけで1000億円以上の減少要因となった」(投信協会・乾文男副会長)ことも影響したという。単位型を除く追加型のみの集計では355億円の純資金流入となる。また、投信協会では市況好転に伴う戻り待ちの売りや利益確定売りが出たことに加え、投資家が分配金を引き下げたファンドを嫌気する昨年来の流れも依然継続していると指摘した。

 1月は、米国や中国での市場予想を上回る経済指標などを好感し、NYダウ工業株30種平均は前月末比5.77%上昇した。また、国内では安倍政権による大規模な緊急経済対策の決定や、日銀への金融緩和圧力への思惑などを背景とした円安進行が支援材料となり、TOPIX(東証株価指数)は同9.36%上昇した。外国為替市場では一時1ドル=91円台をつけるなど主要通貨に対し円安が進み、外貨建て資産に投資する多くのファンドの運用にとって追い風となった。

 商品分類(投信協会の新分類基準)別の資産増減では、国内REIT(不動産投資信託)、海外株式、海外債券に投資するファンドなどが純資金流入となったが、前述の国内株式のほか、海外REITに投資するファンドなどが純資金流出となった。一方、運用では、海外債券、国内株式、海外株式など、すべての商品分類でプラスとなっている。

 なお、公社債投信を含む総合計では、MRF(マネー・リザーブ・ファンド)が急増し資金が4カ月連続の増加。運用は5カ月連続でプラスとなり、純資産総額は8カ月連続で増加し、前月比4兆816億円増の68兆1454億円となった。
提供:モーニングスター社
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