ETF最大手ブラックロックが日本市場に本格参入、海外実績ある3本を東証上場

 ETF(上場投資信託)世界最大手のブラックロックが日本市場開拓に向けて本腰を入れ始めた。同社は17日、ETFブランド「iシェアーズ」の米国上場の商品3本を東証に重複上場した。ブラックロック・ジャパンが同日開催した上場記者会見で、出川昌人代表取締役社長は「日本でも最近、ETFに対する理解が着実に深まってきた。分散投資、長期投資という観点で運用コストに対する認識も高まっている。より効率的な運用ツールを求める日本の投資家に、今回上場するETFのような商品を提供する必要があると判断した」と述べた。

 今回上場したのは、日本を除く先進国の大型・中型株に投資する「iシェアーズ先進国株ETF(MSCIコクサイ)」<1581.T>、新興国の大型・中型・小型株に投資する「iシェアーズエマージング株ETF(MSCIエマージングIMI)」<1582.T>、新興国よりも発展途上の「フロンティア市場」の大型・中型株に投資する「iシェアーズフロンティア株ETF(MSCIフロンティア100)」<1583.T>の3銘柄。これら3本のETFで69カ国の株式市場をカバーすることが可能となり、同社がすでに東証に上場している日経平均株価連動ETF「iシェアーズ日経225」<1329.T>を合わせると、時価総額ベースで世界の株式の9割に投資できる。

 ブラックロック・ジャパン iシェアーズ事業部長の上坪淳一氏は、今回の東証上場シリーズの最大の特徴について、「海外ですでに実績のある海外上場のiシェアーズETFを東証で、日本時間に、日本円で取引できるようにした点だ」と語った。ブラックロックのETFは国内証券を通じて海外上場ETFとしてこれまでも購入可能だったが、この場合、特定口座に対応していないなど注意する点がある。しかし、東証に今回上場した3本のETFは国内株式と同様に特定口座扱いとなり、信用取引も可能。また、取引コストも国内株と同水準になり、より投資しやすくなった。

 ブラックロックによると、世界のETF市場における同社の純資産残高(3月末時点)は8087億ドル(約80兆円)で4割近くのシェアを占め、本数も622本といずれも業界首位となっている。ブラックロックのiシェアーズ・アジアパシフィック地域責任者 マネージング・ディレクターのジェーン・リューング氏は、「日本は経済規模からみて、また投資市場が進化しているという点においても、iシェアーズ事業にとって極めて重要な国だ」と指摘し、業界最大手として日本市場を重視するとした。

 今後も同社は東証へのETF上場に注力する考えだ。出川社長は今後上場を予定している商品に具体的に言及しなかったものの、「600本以上ある当社のラインアップの中から、お客様に一番役に立つものをご紹介していく」と話し、豊富な品ぞろえを生かし、日本市場へのETF投入に前向きに取り組む姿勢を示した。
提供:モーニングスター社
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