米運用大手T.ロウに聞く投資術―新興国株は米緩和縮小観測に過剰反応、先進国に比べ割安

 米資産運用大手T.ロウ・プライス・インターナショナルのポートフォリオ・スペシャリストで新興国株式担当のニック・ビークロフト氏がこのほどモーニングスターのインタビューに応じ、「米国の量的金融緩和の縮小観測により、新興国に流入していた資金が先進国へ巻き戻されたが、市場の動きは過剰反応だった」として割安になった新興国株式への投資に前向きな姿勢を示した。

 ビークロフト氏は、新興国株式への今後の投資戦略として、「逆張りのスタンスで上昇基調に備えるべきだ」と指摘。07年12月以降の1株あたり利益の伸び(13年6月末時点)は米国と新興国でほぼ同水準だが、割安感では新興国がより注目されるとした。予想PER(株価収益率)を07年のピーク時と比べると、米国は10%程度しか割安になっていないが、新興国は40%近く大幅に割安な水準にあるという。

 米緩和縮小観測を受けて新興国株式は先進国株式に比べてパフォーマンスが低迷し、魅力が失われたと思われがちだが、同氏は依然として新興国株式に投資価値が十分あるとの見方を示した。その理由として、中国の金融改革など新興国で政策転換が見られる点に触れたほか、生産年齢人口の拡大や高い貯蓄率、株式時価総額の拡大余地、良好な企業業績を挙げた。

 また、ビークロフト氏は新興国株式への投資について「国別で強気・弱気を判断することを避け、セクター別で投資対象を評価することが重要だ」と説明。今後、投資から消費への転換を図る中国など経済構造の移行期にある新興国ではGDP(国内総生産)成長率の変動が予想されるものの、先進国に比べて大きく遅れているインフラに加え、ヘルスケアや消費関連セクターは高いパフォーマンスを上げる可能性が高いとする。

 消費関連の中でも生活必需品は、08年1月から13年6月までの期間に特に良好なパフォーマンスとなっており、今後も人口増加による消費拡大を背景に成長期待の高い魅力的なセクターとしてみているという。
提供:モーニングスター社
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