ハイ・イールド債人気に変化? 「フィデリティ・USハイ」が過去最大の流出―8月推計純資金流入
<「フィデリティ・USハイ・イールドF」、8カ月ぶりの純資金流出>
モーニングスターの独自推計によると、「フィデリティ・USハイ・イールドF」が8月に172億円の純資金流出となり、8カ月ぶりに純資金流出を記録した。資金流出額としては1998年4月の設定来で最大。同ファンドの純資金流出額は、「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」の224億円に続き、全ファンド中第2位となった。8月末時点で「フィデリティ・USハイ・イールドF」はETF(上場投資信託)を除く国内公募追加型株式投信で純資産額トップとなっており、これまで安定的に資金を集めてきたが、ここにきて資金流出に転じた格好だ。
米国では7月にハイ・イールド債券に投資するオープンエンドファンド(推計値・ETF含む、MMF、ファンド・オブ・ファンズ除く)が109億ドルの純資金流出と、集計可能な1993年以降で3番目の流出規模となるなど、ハイ・イールド債券への急速な関心低下を思わせる事態となっていた。今回、「フィデリティ・USハイ・イールドF」が資金流出に転じたことで、ハイ・イールド債券ファンドの資金動向に注目が集まりそうだ。8月はモーニングスターカテゴリー「国際債券・ハイイールド債(為替ヘッジなし)」全体で242億円の純資金流入と、まだ資金流入傾向が続いているが、流入の勢いは鈍っている。
<全体では「国際株式」「国際REIT型」の資金流入目立つ>
国内追加型株式投信の8月の純資金流出入額(ETF除く)は、5273億円となり、年初から8カ月連続で流入超を記録した。モーニングスター大分類別で見ると、「国際株式」「国際REIT型」の資金流入が目立つ一方、「国内株式型」が1000億円以上の資金流出となっており、株式やREITを中心に海外資産に投資する資産が人気の状況は変わっていない。
個別ファンドでは「ドイチェ・高配当インフラ関連株(米ドル)毎」が1739億円の純資金流入となり、5カ月連続で1位となった。高水準の資金流入が続いてきたが、野村アセットマネジメントは8月19日、同ファンドを含む「野村ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(通貨選択型)」シリーズについて、買い付け申し込みの受け付けを同月30日以降に一時停止すると発表した。資金が殺到し、運用規模が大きくなり過ぎたことが背景にあり、9月に資金流入首位の座を他ファンドに譲ることになりそうだ。
8月の資金流入ランキングでは、「ラサール・グローバルREIT(毎月分配型)」が354億円の純資金流入となり、3位にランクインした。順調な資金流入を受けて、同ファンドは純資産額が20日に1兆65億円となり、複数国のREITに分散投資する国際REITとしては初めて1兆円を突破した。資金流入ランキングのトップ10にはこの他にも、6位に「新光 US−REITオープン」、7位に「好配当グローバルREITプレミアムF通貨S」が入っており、海外REITファンドの根強い人気を印象付けた。
提供:モーニングスター社
モーニングスターの独自推計によると、「フィデリティ・USハイ・イールドF」が8月に172億円の純資金流出となり、8カ月ぶりに純資金流出を記録した。資金流出額としては1998年4月の設定来で最大。同ファンドの純資金流出額は、「グローバル・ソブリン・オープン(毎月決算型)」の224億円に続き、全ファンド中第2位となった。8月末時点で「フィデリティ・USハイ・イールドF」はETF(上場投資信託)を除く国内公募追加型株式投信で純資産額トップとなっており、これまで安定的に資金を集めてきたが、ここにきて資金流出に転じた格好だ。
米国では7月にハイ・イールド債券に投資するオープンエンドファンド(推計値・ETF含む、MMF、ファンド・オブ・ファンズ除く)が109億ドルの純資金流出と、集計可能な1993年以降で3番目の流出規模となるなど、ハイ・イールド債券への急速な関心低下を思わせる事態となっていた。今回、「フィデリティ・USハイ・イールドF」が資金流出に転じたことで、ハイ・イールド債券ファンドの資金動向に注目が集まりそうだ。8月はモーニングスターカテゴリー「国際債券・ハイイールド債(為替ヘッジなし)」全体で242億円の純資金流入と、まだ資金流入傾向が続いているが、流入の勢いは鈍っている。
<全体では「国際株式」「国際REIT型」の資金流入目立つ>
国内追加型株式投信の8月の純資金流出入額(ETF除く)は、5273億円となり、年初から8カ月連続で流入超を記録した。モーニングスター大分類別で見ると、「国際株式」「国際REIT型」の資金流入が目立つ一方、「国内株式型」が1000億円以上の資金流出となっており、株式やREITを中心に海外資産に投資する資産が人気の状況は変わっていない。
個別ファンドでは「ドイチェ・高配当インフラ関連株(米ドル)毎」が1739億円の純資金流入となり、5カ月連続で1位となった。高水準の資金流入が続いてきたが、野村アセットマネジメントは8月19日、同ファンドを含む「野村ドイチェ・高配当インフラ関連株投信(通貨選択型)」シリーズについて、買い付け申し込みの受け付けを同月30日以降に一時停止すると発表した。資金が殺到し、運用規模が大きくなり過ぎたことが背景にあり、9月に資金流入首位の座を他ファンドに譲ることになりそうだ。
8月の資金流入ランキングでは、「ラサール・グローバルREIT(毎月分配型)」が354億円の純資金流入となり、3位にランクインした。順調な資金流入を受けて、同ファンドは純資産額が20日に1兆65億円となり、複数国のREITに分散投資する国際REITとしては初めて1兆円を突破した。資金流入ランキングのトップ10にはこの他にも、6位に「新光 US−REITオープン」、7位に「好配当グローバルREITプレミアムF通貨S」が入っており、海外REITファンドの根強い人気を印象付けた。
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