中小型株ファンドの純資産総額が金融危機後の最高水準に、生き残りをかけた戦いはこれからが本番

 14年8月末時点における国内公募追加型株式投信(確定拠出年金向け、ファンドラップ向け、ETF等除く)の中小型株ファンドの純資産総額が1兆3271億円となり、金融危機後では最高水準(月末基準)であった13年12月の1兆3247億円を上回った。モーニングスターの推計では8月の中小型株ファンドは427億円の資金流出超過となったものの、8月には東証2部指数、日経ジャスダック平均がいずれも年初来高値を連続で更新。時価総額上位のミクシィ株が2日連続でストップ高するなど、新興市場が活況となったことでファンドの保有銘柄が値上がりし、資金流出を補った。

 ちなみに、集計可能な2000年以降で、中小型株ファンドの純資産総額が最高水準(同)となったのは、07年1月(以下、当時)の2兆87億円。当時の個別ファンドの純資産額ランキングをみると、第1位の「フィデリティ・日本配当成長株・ファンド(分配重視型)」の1698億円をはじめとして、トップ10内のファンドがすべて500億円を上回っていた。

 一方、14年8月末時点(以下、現在)では、当時約130本あった中小型株ファンドのうち、すでに2割強のファンドが償還済みで、19年にかけてはさらに2割が償還期限を迎える。純資産額ランキングをみると、当時第76位だった「JPM ザ・ジャパン」はこれまでの長期の運用実績が評価され、現在第1位となっている。また、現在も引き続きトップ10入りしているのは当時第3位(現在は2位)だった「JPM 中小型株オープン」と当時第7位(現在は8位)だった「フィデリティ・日本小型株・ファンド」しかなく、500億円を上回っているのは第7位まで。中小型株市場が活況を取り戻しつつあるが、資金流出傾向に歯止めがかからない状況が続けば、中小型株ファンドの生き残りをかけた戦いはこれからさらに激しさを増しそうだ。
提供:モーニングスター社
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